穴が空いた
生きることにこだわりを。魚住惇です。
「リビングのテレビは壁掛けがいい」
こだわらないことにこだわる、妻のゆかさんが発した、こだわりの言葉でした。
魚住はもう感激しちゃって。ここは妻の要望を最大限に叶える、夢の壁掛けを実現しよう。そう心に誓いました。
これまでゆかさんが節約節約と言ってきたのは全ては夢のマイホームのため。そのマイホームの住み心地を快適なものとするために、持ち合わせているスキルを惜しみなく発揮する。これが僕という人間と結婚したことで受けられる、最大の恩恵だと思うのです。
そんなわけで、リビングのエンタメ環境を最高のものとするために、電気図面にひたすら要望を反映させ続けました。7.1ch用のスピーカーを配置するための配管も用意しました。
ところが、あれだけ屋内・屋外の配管にこだわったにもかかわらず、壁掛け用コンセントの部分から、TVボードを置く位置までの配管を忘れてしまいました。このままだとテレビとTVボードとの間に、黒いHDMIケーブルが見えてしまうことになります。こうなったらもう、壁掛けの意味がなくなってしまいます。
ここまでが以前までのおさらいです。
CAT6AからLANコネクタが変わったようです - by 魚住惇 - こだわりらいふ Newsletter
なんたる失態でしょう。僕は夫として、妻の夢さえも叶えられないのか。
今回お話するのは、TVボードまでHDMIケーブルを通すために奮闘した件についてです。ちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
「8万円ほどかかりますね」
まず最初に、今回の家の建築を担当してくれたハウスメーカーの営業さんに連絡しました。設計を担当してくださった設計士さんと連絡を取るためです。
担当してくれた営業さん。本当に人として尊敬できる方で、仕事も早く、すぐに設計士さんと連絡が取れました。お互いテレビの壁掛けについて話していたはずなのに、どうしてTVボードとTV設置位置をつなぐための配管が入っていなかったのか。
過去の打ち合わせ記録を一通り確認し、設計士さんも僕も、その部分についての話が残っていなかったことから、お互い忘れていた可能性が高いという話に落ち着きました。まぁ今さらその部分を追究したって、無い穴はないわけで。もう過去には戻れません。
そこで聞くことができたのが、「追加で工事を行うことで、配管を通すことが可能」だということ。正確に見積りをお願いしたわけではありませんが、こうしたケースはおおよそ8万円ほどかかっているという話も聞けました。8万円かぁ。そりゃ今後のことを考えたら、お願いするなら今しかないよなぁ。でも、8万円はさすがに高いなぁ。でもこれをやらないと壁掛けの意味が。
こんな考えがずっとぐるぐる回っていました。これが先月行われたHHKBミートアップのタイミングです。東京にいる間も、何度か設計士さんと連絡していました。
歩いていると色んなアイデアが頭の中に浮かんでくるもので、配管同士がどこかで合流するポイントがあるのなら、2本の配管が合流するような場所に穴をあけて、そこにHDMIケーブルを通す案を思いつきました。割といけそうだなと思ったのですが、壁の中を通っている配管の正確な図面は存在しないらしく、配管そのものも中に通っている線の影響で多少はたわんでいるようでした。
僕がやりたいのは、ただTV設置位置からTVボードまで、縦に穴をあけたいだけなんですけどね。そもそもそれが、普通では難しいというお話でした。これはいよいよ。8万円かけて工事をしてもらうことになるのか。普段なら「今が一番幸せだ」なんて言っている僕が、初めて過去に戻りたいと思ったのでした。
でももう過去には戻れません。今必要なのは、TV設置位置からTVボード付近までを通す穴、ただそれだけです。その穴をどうやって空けるのか。
テレビを壁に掛けるとなると、専用の金具が必要です。その金具で何十kgものテレビを壁に固定することになるので、こういった場合は壁の中に下地が入れてある必要があります。下地というのは木でできた合板のことで、クロス→石膏ボードの奥に入れて、壁掛け金具を固定するビスを受け止める役割をしてくれます。
この合板というのがまた穴を空ける難易度を一段と高くしていて、素人のDIYでどうのこうのできるレベルを超えているそうなのです。うーん、これは本当に困ったぞ。一体どうしたらい良いものか。よくある配線を隠すカバーみたいな、あんなかまぼこを壁に貼り付けるのなんて、絶対に嫌。あぁ、本当に困った。
穴が空いてました
そう困っているところで、設計士さんから再度連絡がありました。メールで2枚の写真を送ったので、見て欲しいということでした。どうやら電気工事をしてくださった業者に、施工完了時の写真を送ってもらったそうで、その写真を僕に送ってくれていたようでした。
これが1枚目です。柱以外の部分に下地がはめられていて、必要な部分に穴が空いています。左側の3か所がTVボードの位置まで来ているスピーカーケーブルのための配管です。そして設計士さんが着目してほしかったのが、その右側の、柱の右にある穴です。
え?既に下地に穴が空いている・・・?
穴が空いている部分に見えているものが、どうやら壁の裏にある子供部屋のコンセントをはめるためのアウトレットボックスだそうで、それをリビング側から固定するために下地に穴を空けたとのことでした。では子供部屋から見たらどうなっているのか。
なんと、子供部屋の壁の中では、リビングのTV設置位置から子供部屋のコンセントまでが、見事に空洞であることが分かりました。いやったぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!
設計士さんは「下地が切り取られている部分と子供部屋のコンセントの間の空洞部分に穴を空けたら、HDMIケーブルなら通るのではないか」と話していました。なるほどなるほど。それなら話が早い。要は下地に穴が空いている場所を、決め打ちで穴を空けたら良いわけですね。ひとまずこれで一安心。僕はもうこれが分かった瞬間に、ビックカメラのオンラインストアでテレビと壁掛け金具を購入しました。
工科高校に赴任して良かった
穴を空ける場所が分かりました。あとはどのように穴を空けるかです。既に18Vのインパクトドライバーを購入しました。次はこの作業のために、どんな工具を買うのかです。
ここで強いのが、今年度僕が工科高校に赴任したこと。周囲には電気工事士の資格取得の指導ができる先生ばかりです。ここはもう全部相談して、何を買ってどう作業すれば良いのかを聞いてみることにしました。
そこで分かったのが、コンセントがはめ込まれている部分を覆っている正方形の金属部品を「アウトレットボックス」と呼んでいること、そこには丸い穴が簡単に空けられるように蓋がしてあって、金づち等で叩けば蓋が取れるということでした。
つまり、設計士さんが教えてくれたような、隙間を通すのではなく、アウトレットボックスに穴を空けさえすれば、子供部屋のコンセントの中をそのままHDMIケーブルが通せるようになるということです。これは朗報でした。
あとは穴を空けるために、何を購入すれば良いのかということ。「ホルソー」がおすすめだと聞きました。
Amazon.co.jp: ホールソー - ホールソー・ホールソーアクセサリ: DIY・工具・ガーデン
そうか、これがホルソーなるものか。ドリルの周りにトゲトゲがついていて、丸い穴があっという間に空く危険な道具だ。そうと決まればと思い、近所のホームセンターに買いに行きました。
さて作業。子供部屋のコンセントを外し、アウトレットボックスをむき出しにした状態で、穴を空けました。空けた穴の中心に細いドリルで穴を空けて貫通させました。同じ場所をリビングから見てみると、小さい穴が空いていました。貫通した場所はここだな。よし。
ホルソーをインパクトドライバーに装着し、ドリルの先端が小さい穴の位置にくるようにして、シュイーーーーーンガリガリガリガリ!!
空きました!そして、HDMIケーブルが通りました!やったぞおおおおおお!!!
テレビを壁かけにした位置はリビングの中でも特に追加料金を支払って、アクセントクロスにした面です。そこにマスキングテープを貼って、カッターナイフで切り込みを入れました。もうドキドキでした。失敗したら使えない穴だけが残る。それだけは避けたい。
穴が空いて、そこから裏面のアウトレットボックスの穴が見えたとき、どんなに嬉しかったか。しかも開けた穴同士の位置がぴったりでした。日曜劇場のドラマ「JIN」に例えるなら、血栓あったああああ!のシーンです。そこにあると信じて、必死な想いで穴を空けたのです。
穴が空いたらあとはケーブルを通すだけ。僕には通線ワイヤーもあるし、他のワイヤーもたくさんある。細いワイヤーを通した後に、そのワイヤーをHDMIケーブルに巻き付けてから通しました。中が見えない状態で線を通すのも難易度高めでした。何せ配管がない場所でしたから。
今週末にテレビが配送されて、来週頭には設置作業が行われます。ここは業者にお任せすることにしました。自分でやろうとして、大きなテレビを落としてしまったら、それこそシャレになりませんからね。
もし僕が今年度も前任校にいたとしたら、ここまでのやり方で解決できなかったんだろうなぁと思っています。きっと、配線を通す作業も業者に依頼していたか、その分をケチって壁に見える形で配線していたに違いありません。人生とは本当にうまくできているようで、必要なタイミングで、必要な試練が待ち構えているんじゃないかとも思えてきます。結果論であり、後付けでしかないんですけどね。
工科高校に赴任して未だに慣れないことの連続ですが、既に数えきれないことを学び、プライベートにも還元できました。DIYをするつもりのはずが、既にDIYのレベルじゃないよなとも正直思います。こうして工具を増やしながら、使い方を学校で聞きながら、以前までできなかったことが出来るようになる。この繰り返しこそが勉強であり、実りのある人生である。できることが増えていく成長の楽しさを、どうにか現場の子どもたちにも伝えたいものです。
あ、ちなみにね、ホルソーで穴を空けてるときがめちゃくちゃ怖くて、ちゃんと軍手しましたよ。って工科高校の先生方にしゃべったら、怒られました。ドリルを扱う際は、軍手したらダメなんですね。ドリルが軍手を巻き込んじゃったら指までいっちゃうらしいので、ドリルを扱う際は素手でというのが鉄則だそうです。
毎日が修行。毎日が勉強です。
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