そういえば図書室の長をやってるんでした
生きることにこだわりを。魚住惇です。
そういえばなんですが、魚住惇の今年度の分掌は”図書情報部”で、主任をやっているんでした。学校の図書室が普通科の職員室のある棟の4階にあり、僕の机があるのは別の校舎なので、全然顔を出さないんですよね。何か職員室に用がない限り普通科には行かないので、すっかり忘れていました。
じゃあなんでこのタイミングで思い出したのかというと、蔵書点検というのをやらなければならないからなんですね。
考えても見てください。この魚住、毎日DXのことばかり考えています。ここ最近なんか勉強をDXしたくて、学習サイトまで立ち上げてしまった始末。そんな僕がさ、紙の本を読もうとか、そういうことを発言しなければならない立場におかれました。なんかもう、未だに信じられなくてね。
でもね、蔵書点検をきっかけに、これまた図書室という部屋が好きになりそうなんです。今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
超非効率的な蔵書点検
あまり顔を出さない図書室、蔵書点検のために3回目の入室が行われました。本当に主任なのか?
蔵書点検って具体的に何をやるかというと、データベースに登録されている本が本棚に存在しているかどうかを確認するんですが、今年度は古い本に新しいバーコードのシールを貼るという作業も一緒にやることになっているらしいというのを図書の係を任せている先生から聞きました。
これがまた非効率的だったんですよ。先にデータベースに登録されていた情報を更新するためとはいえ、シール用紙に印刷されたバーコードの上にある本のタイトルを本棚から探して見つけて、貼りなおす作業です。アルゴリズムで言うなら、ずっと逐次探索しっぱなし。
嘘だろ?図書室だぞ?データベースもあるんだぞ?なんでそれを使って探せないんだ。なんて思うんですけどね。まず掃除の時間中に生徒と協力して、すべての本を1か所に集めたんですよ。それがいかんかった。
結局は、印刷されたバーコードの中から探したい本を決定し、本の山の中から探すという、サーチを2回してるような感覚になる作業を繰り返すことになりました。これがもう非効率すぎて、自分が作業をすることを考えるだけで、もう嫌気がさしていました。
コンピュータサイエンス的名著を発見する素敵な時間
ところが、ところがですよ。いざ分掌のメンバーと一緒に作業していると、一番いきいきしているのが自分だっていうことに気づきました。
僕がやったのはまず、印刷されたバーコードをざっくりジャンル分けすること。ただし、バーコードは発行順に並んでいるので、完全にジャンル分けすることは不可能です。大体これ系の本が多いなというジャンルで分けました。
次に、その分野の本のタイトルにざっと目を通しました。「ほーん、これ系の本があるのかー」みたいなことを思いながらある程度の塊をざっくり確認しました。
そして、本の表紙をだーっと見ていって、先ほどのバーコードのラベルで見覚えのあるタイトルを発見したら新しいバーコードを上から貼る。つまり「さっきリストで見たタイトルの実物見っけ!」っていう発見を何度もやるわけです。
これが意外と楽しかったんですよ。
「ガイコツ書店員もある、うお、C言語の絵本が一通り揃ってるじゃん。なんとLispの本もあるなんて!あーファクトフルネスとかそういう系の本もおさえてあるのねー」
「魚住先生、そのテンションだと疲れちゃいますよ」
最終的には他の先生からそう言われてしまいました。それくらい僕が大量の本の前ではしゃいでいました。だって勤務校にはそれだけの本があって、しかもいつでも借りて良くて。もうすぐ夏休みなんですよ?ああ居候したい。住み着きたい。
あーあ、仕事がなければ、夏休みはずっと図書室に籠るんだけどなぁ。
で、コンピュータ系の本で見つけたものの中には
こんな感じの本がしれっと並んでいるわけですよ。もう!これは魚住おすすめコーナーとかを作りたい!
ここ最近ずっと電子書籍ばかりポチって読んでいるからか、すっかり忘れていました。僕は本が好きなんでした。本屋や図書館も。そりゃ好きなものが並んでいるので当然ですよね。ブックオフの100円コーナーとかによく高校時代には通いました。そういえばそうだったなぁ。
なんかその頃の、本が並んでいる光景を見てワクワクしていた自分を思い出しました。しかも今はその主任を任されているなら、購入する図書の選定案も出したって良いんだ。学校の校内放送で自分が好きな曲を流すために放送部員になる生徒がちょくちょくいますが、それに似たものを感じます。学校の図書室に好きな本を置きたいなら、図書関係の分掌に入るのが一番です。
そう考えると、年度初めは「あーあ、図書かぁ。紙の本を管理するのかぁ」なんて思っていたんですけどね。この状況が楽しくなってきました。しかも今の学校の図書室、全然生徒が来ないんですよ。それも勿体ない。僕がこれだけ楽しくなれるんだから、せっかくこの学校を受験して入学してきてくれた子どもたちにも、共感を強制しない範囲で、図書室を好きだって言ってる人もいるんだなーくらいには思ってほしい。
学校での仕事が100%、自分の好みと重なっているとは限りません。それはきっと企業だって同じはず。向き不向き、得手不得手はあるものの、職業選択においては少なくとも自分がやっていて苦にならないことでお金を稼ぐのが望ましいと僕は思います。
その上で、どうしてもやりたくないタスクが自分に降りかかってきて、やるしかないとしたら。もうそうなったらその状況の中で楽しいことを見つけるしかないんですよね。今回の場合は「ああ、なんとか楽しみを見出さないとな」なんてことは思わず自然と置かれた状況を楽しんでいました。今週末から始まる夏休みが楽しみです。
もう前期の図書選定が実は終わっていて、今は選定が終わった図書の購入に向けて動いているところです。次は後期にまた決められた予算内で本を買う作業が待っています。教科「情報」やコンピュータを少しでも好きになってくれるような、勤務校の図書室にそんなコーナーを作ってみたいなと思ったのでした。
ノコギリクワガタとコクワガタ
昨年のこの時期の配信で、「近所にカブトムシがいない」っていう内容を書きました。
実印を使いました - by 魚住惇 - こだわりらいふ Newsletter
カブトムシやクワガタムシなんて、自分が少年だった頃には普通に飼育していた記憶があります。でもこの令和の時代、全然見かけません。
という話を昨年度書いたんですよ。書いたのはお盆休みだったので、もうカブトムシのピークを過ぎてしまっていたんですよねきっと。なので探しに行っても全然見つかりませんでした。
そこで今年は、6月下旬ごろから行動を始めて、夏の昆虫を探しに行きました。まずは昨年行ってみた岐阜の某所。ただもうそこは樹液の出る場所がスズメバチの拠り所になっていて昆虫採集どころではありませんでした。
これではだめだ。今年も捕獲できずに終わるのか。この時期になると100円ショップにあれだけカブトムシ・クワガタムシ飼育グッズが出ているというのに、どうやって皆さん捕まえているんだ。ダイソーに行ったら止まり木とか売ってるし、売ってる分みんな本当に捕まえているのか?
そんなことを考えながらインスタなどを徘徊していて、「え、マジで、そこ?」みたいに思えた場所がありました。そこは自治体が管理している施設で、夜には鍵がかけられるような場所です。
5歳と2歳の息子たちを連れて実際に行ってみると、かつて小学生だった世のお父さんたちが、こぞってクヌギの木の下に溜まっている落ち葉を漁っています。まさか、そこにいんの?
そう、カブトムシやクワガタムシは夜行性で、活動するのは夜なんですよね。だから真夏の昼間なんかにはなかなか姿を現しません。じゃあどこにいるのかというと、地中や落ち葉の下です。僕も昔カブトムシを飼育しているとき、自分が起きている頃は全然飼育マットから出てこなくてガッカリしていたことがあります。
僕ももう、息子たちまで連れてきているので必死でした。なんとか見つけなければ。けれどももう何人かのパパさんが既に荒らした場所だらけ。それに彼らの反応もあまり良くなく、「いたぞ!」みたいな声も聞こえてきません。
アンパンマンのお砂場セットを片手に魚住も参戦しました。子どもたちは何故かドングリを集め始めました。お母さんが怒るぞ。絶対に持って帰らないからなそれ。結局、ライバルが多い場所をいくら探しても、全然見つかりませんでした。
さぁもう帰ろう。そう思って車を止めた駐車場の近くまで来たとき、そこにも探している親子がいたので「まさか」と思い、「もう帰ろうよ」と言ってる息子2人を説得して少し探してみることに。
落ち葉をガサっと退けて。あら。ノコギリクワガタの♀さんこんにちは。
いたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
このテンションで家までスポーツカーを運転しました。もちろん帰宅して妻に報告するのは子どもたちの役目です。僕はもう大人ですから。
嬉しくなっちゃって、次の週も同じ場所に行きました。今度はライバル達がまだ少なかったので、前回皆さんが漁っていた場所を物色。
コクワガタのオスをゲットできました。やっぱり落ち葉の下にいました。クワガタって寝ている時は本当に死んでるのか?というほど動かないんですね。ヒョイっとゲットできました。
この2回目の挑戦の日、実は虫かごを家に忘れてしまって、クリアファイルに入れて持って帰ったために妻が悲鳴をあげましたけどね。虫かごに入れた状態だと、恐る恐るですが見てくれました。どちらの生態を観察するのも僕としては楽しいことです。
本当は写真を貼りたかったんですが、明るい場所で撮ろうとすると地中に潜ってしまいますし、暗い中撮影するにしてもISO感度が上がってしまうのでちょっと見るに耐えないのでやめました。今ではクワガタ2匹をパソコン部屋で飼育しています。
長男はどうしてもカブトムシVSクワガタムシが見たいようで、しかも「ぼくもう、つまんない。つぎからおとうさんだけでいってきて。いえでレゴやりたいもん」なんて残酷なこと言うんですよ。
というわけで、今週末も行ってみる予定です。あの場所に。そろそろカブトムシが出てくる頃ですから。
今回のnewsletterは以上となります。
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