ObsidianのCatalystになった
生きることにこだわりを。魚住惇です。 今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
新型ポメラ「DM250」にUS配列版が登場したが、気になることが1つある
昨日、キングジムが新型ポメラ「DM250」を発表していました。
DM250 | デジタルメモ「ポメラ」 | KING JIM
その特徴として、親指シフトとUS配列にも対応したっていう内容があったので、「うおおお!これは俺もついにポメラデビュか!?!?」と思わず飛び上がってしまいました。
(ポメラDM250US配列のキーボードの写真、公式サイトより引用
この写真を見てみると、大きなEnterキーの左下に、小さいEnterキーがあります。そう。US配列のEnterキーはそこで合っています。
でもこれはやっぱりポメラ。僕はどうしても中段と下段のズレ幅が気になりました。
一般的なキーボードは、上段と中段のズレ幅が1/4Uで、中段と下段のズレ幅は1/2Uなんですよ。それが全て、1/4Uに統一されています。これだと、いつもの感覚で入力してしまうと、下段を正しく打てません。
同じ理由で、Surfaceのキーボードは全てが1/2Uのズレ幅で統一されているのでこれも好きません。
全てが1/4Uで統一されているキーボードで有名どころは、HHKBのJPモデルです。僕はこの理由もあって、JPモデルは苦手としているんです。
ポメラは、初代の頃からこの1/4Uのズレ幅で統一というのを貫いてきたので当然といえば当然な流れですが、「US配列のポメラが出たら買おう」と考えていた自分にとって、このスレ幅は結構な障壁となりました。
買いません。良かった。新たな散財とならずに済みました。
ObsidianのCatalystになった
Obsidianのdiscordの中国語を眺めていると、Insider Buildでmobile版にて発生している入力のバグが改善されたという話が出ていました。ただし、改善されただけで、バグそのものは残っているとも書かれていました。
これは気になるやんけ!と思って、25ドル支払ってCatalystになりました。月額でも年額でもなく、一度だけの寄付でベータ版が今後試せるようになるなら安いものです。
ただ、TestFlightにObsidianを登録できて最新版を試せるようになったものの、肝心な日本語入力バグは直っていませんでした。
これはもう、どうしようもないのかなぁ。エディター部分はCodeMirrorが使われていて、そのバージョンが6になってIMEのバグの改善を試みたという話でしたが、挙動が変わったもののバグそのものは健在でした。
しかも、ライブ変換をオフにすると、まじで使い物になりません。漢字変換の候補をスペースキーで選んだ後に確定せずに続けて入力すると、入力開始場所より手前の部分にカーソルが移動します。 対策は、ライブ変換をオンにしつつ、これまで通り小まめに変換を確定していくことです。未確定のまま入力を続けると確実にバグります。以前みたいにカーソルがどっかに行ってしまうのではなくて、同じ場所に未変換の文字列がたくさん出てきます。
これはもう、CodeMirrorの根本的なバグだわ。Obsidian側がどれだけ対策しようとも、大元のCodeMirror側が修正してくれないとどうしようもありません。
ちなみにCodeMirror側にもこのバグが認知されているようで、こちらのGitHubにissueが上がっています。
iOS IME loses focus if longer then editable block · Issue #797 · codemirror/dev · GitHub
CodeMirrorを使った際のエラーは、Codemirror本家のサイト上に表示されているテキストボックスからでも確認できます。 ObsidianのInsider Buildと同じ挙動が試せると思います。
以前のバージョンまでに確認されていたバグと比べると、マシになった感じはしますが、そもそもバグの種類が違います。
個人的には、少しは使いやすくはなってくれたのかな?という気がしています。 IMEバグが完全には修正されていませんが、少しだけObsidian Mobileを使う際のストレスが減りました。
読書会までに課題図書を読破するためにやったこと
ロイロノートと呼ばれるノートアプリをご存じでしょうか。学校関係者なら、「あー、あれか」となる方が多いかもしれませんが、このnewsletterには教員界隈以外の方も読んでくださっていると思うので少しだけ説明します。
ロイロノートというのは、生徒が一人一台タブレット端末を使って学習する時に役立つという謳い文句でサービスを展開しているノートアプリの名前です。運営している会社の社名もロイロです。株式会社ロイロ。
【ロイロノート・スクール】1人1台GIGAスクールに最適な授業支援クラウド
また、個人的にはロイロ社のヘルプページにScrapboxが使われているのも、どことなく魚住が好感が持てる要因となっています。これはnewsletterで何度か話したかもしれませんね。
愛知県教育委員会も全県立高校の生徒にアカウントを配布したこともあって、僕はロイロノートのサービスに将来性を感じて、積極的に使ってきました。使い始めたのが2020年だったので、2年ほど経過しました。
知的生産界隈の方達には、是非ともロイロ社のサイトを見てもらって、どんな画面なのか見ていただきたいところです。情報をカードにまとめて、繋げて、それをグループで見て、意見交換をし、図解する。そんなことを授業で行うためのツールです。
ブラウザから利用できるのでプラットフォームを選びませんし、iPhoneとiPad、Android版のアプリも用意されています。
ここからが本題ですが、このロイロ社の社員の方が、読書会をやると宣言していました。課題図書となったのは『暇と退屈の倫理学』でした。
まず思ったのが、「ああ、これブックカタリストで聞いたやつだ」でした。ブックカタリスト、いつも更新を楽しみにしているPodcastの一つです。
ブックカタリストで語られた内容が、そのまま要約とイコールになるかどうかがわからなかったので、内容について語られていたポッドキャストを聞いただけで読書会に参加するという選択肢はまず無しにしました。
となると、本を購入する必要があります。紙の本で買うのか、それともKindleで買うのかを決める必要があります。そこでメルカリなどで安く手に入らないかと探していたら、そもそもこの本が結構厚みがあることが出品されている写真からわかりました。
この分厚さの本を、期末考査やら成績処理やらで死ぬほど忙しい時期に、3週間で読破しないとあかんの?
もうそう思った途端に、紙の本でじっくり鉛筆で線をひきながら読むのは無理だなと悟りました。この時点でKindle版をポチりました。それでもKindle Paperwhiteでパラパラとめくっていくと、話が長いなっていうのをなんとなく察してしましました。
これはこのまま読み進めてしまっていては、絶対に読書会当日までに読み終えられない。
そこで僕は読書会当日までに、次の行動に出たのでした。
ブックカタリストをもう一度聞く
BC039「現代のインターネット環境と退屈の哲学」 - by 倉下忠憲@rashita2 - ブックカタリスト
ブックカタリストのこの回で、『暇と退屈の倫理学』の話が出てきていたので、ただ再生したのをだらだらと聞くのではなくて、会話の内容にいつも以上に注意を向けながら聞きました。
この回での内容として1冊の本だけの話ではないので、話に出てきた全ての内容が課題図書と重なるわけではありませんでしたが、大体こんな感じのことが書いてあるんだなっていう部分をつかむことができました。
この感覚、テレビドラマを最終回まで見終わったあとに出てくる「このドラマが本になりましたー」的なPRを見て、翌日に買った小説を読んでいた時に味わったものと似ています。
一度内容を見聞きした後だと、文章がスラスラと読めるものです。頭の中では「あーはいはい、倉下さんが話していたあの話ね。うんうん。」状態です。
それでも、この本は分厚い。全てをそんな感じで読んでいって、頭にすんなり入ってくるような本ではありません。なので、この手法だけではまだ工夫が足りないなと思ったのでした。
Alexaに読み上げさせる
iOSのAlexaアプリでKindle本を読み上げる方法があるんですよ – さおとめらいふ
Kindleで買った本は、Amazon Echo本体だけでなく、Alexaアプリからも再生できます。 なので僕は、通勤の往復1時間を、本をAlexaに読み上げさせる時間に捧げました。
これがね、僕にとって良かったんですよ。内容が頭にすんなり入ってきました。文章を目で追いながら読むメリットは、立ち止まったり前の部分に戻って読み直したりすることですが、それを全ての内容でやっていては時間がいくらあっても足りません。しかも今回は哲学の本。哲学の話の内容を100%理解しようと思いながら読もうとすると、時間がいくらあっても足りません。
なのでここは敢えて、深く理解するのに時間を有する場面をすっ飛ばしてもいいやっていう気持ちで、読み上げてくれる内容を聞くことに集中しました。
ただこの方法にもデメリットがあります。この本の内容を全てAlexaに読み上げさせるとなると時間が絶対に足りないなっていうのを、読み上げのスピードからなんとなく察してしまいました。
本文を斜め読みする
ここでようやく、本文を読むわけです。既にブックカタリストでおおよその話を把握していて、Alexaにも読んでもらった後なので、斜め読みであっても十分に内容が入ってきます。
あとはもう時間との戦いでした。結果的に、読書会の直前まで読んでいました。
割と話についていけた
そんなこんなで迎えた読書会本番では、何故か本を全く読まずに参加した人もいたため、上に書いた方法で少しわかった気になっている状態でも、割と有意義に読書会に参加することができました。
本来なら最初から最後まで、文章を読むべきなんでしょうが、時間がない中で読み切らなければならなかったので、本が好きな人にとって邪道かもしれない方法を取るしかありませんでした。
それでも今回の読書会で、司会のロイロ社員の方がカードにまとめたものを見ると「あーこの内容をこうやってまとめたのかぁ」と思えたり、内容について話している人が何を言っているのかも割と理解できて、全体の流れについていけました。読書会自体も楽しく過ごせました。
この読書会を通して、今回僕がやってみた行動というのが、授業にも応用が効くんじゃないかなと思うようになりました。
子どもたちだって、初めてみる知識については理解する前の段階で抵抗があると思いますし、形を変えて何度も同じ内容に接していれば、最初に理解できないことであっても、ある日突然「あぁそうか!」と理解できる瞬間がやってくるものです。
1コマの授業の中で新しい知識を伝授して、その上で問題演習が進められるくらい使えるようにするって、実は結構しんどいんですよ。理解力は人によって差があるので、無理に足並みを揃えようとするとどこかに歪みが生じます。それなら、内容を理解できなくてもいいから、教科書を朗読した音声を事前に聞いてから授業を受けるだけでも、結構違ってくるんじゃないかと思うのです。
もうすぐ1学期も終わり、夏休みがやってきます。この辺りのことは、僕自身の2学期への課題にする予定です。
今回のnewsletterは以上となります。 「いいね」を押していただけるとうれしいです。内容に関するご意見ご感想がありましたら、「#こだわりらいふ」をつけたツイートや、Substack内のコメントまでお願いします。