生きることにこだわりを。魚住惇です。 今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
ChatGPTの授業を考える
先日、こんなツイートをしました。
https://twitter.com/jun3010me/status/1673252853299970048?s=61&t=CJoBR19gqGtCaJBIPTTccA
この日は嬉しくて嬉しくて、帰宅して家族と夕飯を食べている時も、如何に今年の管理職の先生方にご理解があるのかを、ずっと喋ってました。
ただ、その次の日に、教頭先生から校長先生に話が伝わったらしく、「愛知県でのガイドラインが出てからにした方が、無駄に敵を増やさないんじゃないか」という言葉も増えました。
うん、僕も納得です。これまで僕自身に対して、結構反発する先生がいらっしゃいましたから。当然配慮すべきだろうと思っています。
そうは言っても、ですよ。ChatGPTを使った授業ができることには変わりはないので、大変ワクワクしております。
ここでは、ちょっと授業の流れを考えながら、文章を書きたいと思います。ちょっとダラダラと書いていくので、お時間のある時にお読みいただければと思います。
授業の流れ
授業というのは、愛知県の県立高校では50分で行われます。保護者会シーズンだと5分短縮したりもします。
で、ChatGPTの授業を数回に分けて行うとなると、進行が中途半端になってしまうことで、デメリットや注意点などを話さずに終わってしまう可能性があります。
なのでこうした表裏一体のものを話すときは、一度に話す方が望ましいと僕は思います。なので、45分か50分で完結するような内容にしなければなりません。
そして、ある程度生徒にも考えさせる授業にもしないので、この授業では最後に感想でも書かせようと思います。
その感想を書かせるとなると、その時間を10分と見積もります。これで残り時間が40分です。
授業の冒頭では、僕の授業ではプレイグラムタイピングをやらせていますが、それはもうこの授業の日はカットで。これでいつもよりも5分増えました。
大雑把に書くとこんな感じです。
ChatGPTをまず使ってみて、グループでスクショの共有(7分)
概要説明、プロンプトの書き方(8分)
グループで課題に取り組ませる(15分)
自分が考える良いプロンプトと、ChatGPTの回答をセットで共有(10分)
まとめ&感想を書かせる(10分)
これで合計50分です。 かなりキツキツで、余計なことを喋ってしまうともうそれだけで時間オーバーです。 できれば感想を書かせる時間をカットしてでも、ChatGPTを使わせる時間や、良いプロンプトを考えさせる時間を増やしたいところですが、フィードバックを軽んじることもできません。
それに、これで生成AIそのものに興味が持てた生徒は、きっとこれからアカウントを個人で作ると思うので、どんどん活用してもらうのは、その後でも十分です。
うん、なんかここに考えながら書いてみましたけど、意外と良い授業ができる気がします。
あとは当日見せるスライドというか、どういう紹介をさせるのかがポイントですけど。
そして今回は、あくまでChatGPTを使ったことがない人や、上手く使えない人が、どういう使い方なら上手く扱えそうなのかを知ってもらう。そんなきっかけとなる授業を考えました。
最初のきっかけの部分ですね。言ってしまえば導入編という扱いです。応用だとかまでは話しません。
取り組ませる課題の内容を考える
さっき考えた授業のキモは、ズバリ、グループで取り組ませる課題の内容だと思っています。
この課題の内容をどうするのか。 現時点ではまだ自分の中で答えが出ていません。
ChatGPTは「目的」「役割」「やらせたいこと」「制限」を与えることで、より具体的な内容を示してくれるものだということが、自分なりに使っていてわかるようになってきました。
例えば、こういうプロンプトですね。
うん、結構良い仕事をしてくれます。毎回必ず冒頭に入れている決め台詞も、ちゃんと入れてくれています。ちなみにGPT4だからウェブの記事を読み込ませることができています。
ただやっぱり、人間味が薄いというか、魚住惇という人間が書いた文章にはなりませんでした。
つまり、このnewsletterの最大の魅力が「魚住惇が毎週書いていること」だとするならば、まだまだその代わりにはなり得ないということです。少なくともこのプロンプトでは。
なのでChatGPTに”こだわりらいふ”の文章をそのまま書かせるという野望が実現するのはまだまだ先です。
じゃあ何に使えるのか。ChatGPTはあくまでCoPilotです。MS OfficeやGitHubにも搭載されつつある機能の名前もCoPilotでしたね。つまり副操縦士。まだまだメインの操縦士にはならないという解釈ができます。
だからここでは「代わりにnewsletterを書かせる」のではなく「newsletterを書く前の段階を、ChatGPTにやらせる」という方向性の方が、CoPilotとして活躍してくれそうです。
それと、ChatGPTのポイントは、繰り返し使うことだと思っています。よく「壁打ち」と表現しているやつ。
1回の質問を投げつけて、微妙な答えが返ってきて、「あ〜、お前はその程度だったのか」みたいに思っている人が意外に多いそうです。
ChatGPTというか、コンピュータの利点は、人間が嫌だなぁと思うような仕事も、何も文句を言わずにやってくれることだと僕は思ってます。
なので、ChatGPTに対しても同じで、一度仕事をさせてみて、もしも返ってきた答えが違うなって思ったんだったら、何度だってやり直してくれるわけです。
これが相手が人間だったら、「もう知らん!自分でやった方が早い!」とか言いたくなりそうですが、ChatGPT相手なら、何回でもやり直させたら良くて、何なら返答が何度もトンチンカンだった場合は、プロンプトの内容が優れていない可能性が高いと見られます。
だったら例えば、デイリーノートを読み込ませておいて、その中で内容が膨らみそうな内容を3つ用意するとか。でもそれくらいのことなら、まだまだ自分でやった方が良さそう。
壁打ちをどれだけやるかという話にもなりますね。ChatGPTと壁打ちを楽しんでいるだけで、自分自身の文章力も上がりそうですけど。
話は少し脱線しますけど、10進数から2進数の浮動小数点数に変換する問題を作成しようと思った時にChatGPTを頼ったことがあって、整数部分が2の7乗までで、少数部分が2の-4乗までの範囲に収まる数値をランダムで出せっていう仕事をやらせるにしても、僕の聞き方が悪かったのか、何度もやり直させました。
そのやり取りの中で、「こいつを使うには、何度もやり直させるくらいの根気が、使う側にないとダメだな」って思いました。
つまり、授業で生徒に出す課題も、何度かやり直さないと、正解に近いものが出てこないような内容にする必要があるとも言えるわけです。
上の解答では小テストとかぬかしてますけどね。やりたいのはChatGPTについての用語を覚えているかをテストしたいんじゃなくて、協働学習を通した発見の共有なんですよ。
うーむー、協働学習っていう言葉を入れただけっていう感じに修正してきましたね。文章をうまく組み合わせた感じは伝わってきますが、内容が伝わっていない気もします。
もうちょい付き合ってあげたら、また違った答えが返ってくるかもしれませんが、このチャットを育てるのは、今回はここまでにしようと思います。
あとは生徒に任せたい
ひとまずダラダラ書いていて、ちょっと終わりが見えなくなりました。
ネット記事やYoutube動画を見てみると、おすすめのプロンプトなどの情報がわんさか出てきます。
それと、僕自身が一番感じているのは、プログラムのコードを書かせたり、修正させたり、その修正させた部分について解説させるっていうのが、一番役立っています。
さっきまで書いていたように、文章を書かせるとなると、逆にこっちが頭を使うことになっていることが多かった感じがしています。
こうした教材研究(になるのかな?)を通して、自分が一番ChatGPTを使っているなとも思いますし、早く役に立ちそうなプラグインが登場してくれないかなとも思うようになりました。
ここまで来たら、あとはもう出たとこ勝負で、生徒が実際に使ってみた時の、プロンプトから学ぶという場面も想定できます。コントロールの面ではリスキーですが、期待できそうな生徒に目星をつけるなら、割とやれそうです。
それとね、何より今回、ChatGPTの授業をやろうと決めてからが、僕自身が色々と考えるきっかけになっていて、結果として、ChatGPTをどうしたらうまく使えるようになるだろうって考えたりしました。
よく板書だとか、スライドだとか、生徒に見せるコンテンツを学校の先生が作っていますけど、その過程で先生方も当然学ぶので、コンテンツ制作者である先生の知識が増えるのは当然のことなんですよ。
じゃあ生徒の学力を伸ばすために、手っ取り早い活動は何か。それこそ学習内容をまとめさせたりだとか、教えるためのスライドを作らせるだとかの行動だと僕は思っています。
ただ教員免許を取得しただけでは、今すぐ授業をやれるっていう状態にはなれないのと同じで、教材研究を通して学ぶということを生徒にもやらせる、つまり能動的に活動させることが、良い活動になると思うんですよ。
ちょっと話が行ったり来たりしましたが、少なくとも自分の中では、ChatGPTの授業のイメージが割と鮮明になってきました。
あとは課題となる題材だけです。
実際にこの授業を実施するのは、ひょっとしたら2学期になりそうですが、まだまだ時間があります。もう少し自分の中で煮詰めながら、50分に収まるパッケージを考えたいと思います。
今回のnewsletterは以上となります。 「いいね」を押していただけるとうれしいです。既にChatGPTを授業で活用されている先生がいらっしゃいましたら、「#こだわりらいふ」をつけたツイートや、Substack内のコメントまでお願いします。
画像生成系AIのプロンプトをChatGPTに書かせるというのもよく使います。グループごとに実際に画像生成までできれば成果物の違いが目で見てすぐにわかるので、導入的な授業にもありかなと思いました。
知らなそうなこと(答えられなさそう)を見つけてみるというのは、面白そうですね。
知らなそうな質問をして、そして質問の仕方を変えることで、目的の答えを引き出すことができるか。質問の仕方で、返ってくる答えが違うことも学べますし、体験によって限界値がどこなのかを体感することもできる。
ゲーム感覚で挑めば、自発的に授業外でも楽しむんではないかなと、楽しい妄想が浮かびました。