生成AIを使うための主体性
生きることにこだわりを。魚住惇です。
今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
クロオオアリのワーカーが誕生した
最初から虫の画像を出してしまいました。6月から試験管で飼育していたクロオオアリの女王アリ。ついに繭からワーカーが誕生しました。上の写真は既に2匹のワーカーが誕生していて、ちょうど3匹目のワーカーの誕生の瞬間を撮影したものです。クロオオアリの繭は中が十分に成長するとかなり黒くなり、それが誕生の目安となります。もうこれ誕生してもおかしくないだろうと思えるほどの黒い繭があったので、撮影できるようにiPhoneをスタンドに固定して、マニュアルフォーカスで動画を撮影しました。
そもそもApple純正のカメラアプリでは、マニュアルフォーカスが使えません。簡易的なフォーカスの固定はできるものの、挙動としてはオートフォーカスです。それに、ピントを固定することとマニュアルフォーカスはイコールではありません。設定を細かくできるアプリを今回は使いました。600円で全機能を解放できると書いてあったのですぐに払いました。
apps.apple.com/jp/app/mカメラ/id1238096354
三脚に固定して10倍ほどズームして、動画の撮影準備が終わりました。こうしてカメラをいじっていると、虫のタイムラプス撮影を行うならGoPro系が欲しくなります。いちいち様子を見なくとも、クラウド経由からアクセスできる定点カメラが室内に欲しい。蟻の観察用に。そんなことを考えながら、撮影体制を整えて、あとは待つだけ。
その時がやってきました。もう感動ものでした。クロオオアリは繭の中から自分では出ることができず、仲間の力を借りて成虫として出てくるわけですが、この時は家族総出で作業にあたっていました。繭の殻を丁寧に剥がしていくのは女王アリであるお母さん、そして娘たちは剥がしきれなかった薄く細かい膜を丁寧に剥いでいく様子が確認できました。動画時間は約30分、そろそろかなぁと準備していてかれこれ2時間くらいでしょうか。本来なら21時に息子たちを寝かしつけなければならなかったんですが、妻が眠たいと言っていたので急遽代わってもらいました。撮影が終わったのが23時ごろでした。
今となっては娘たちが手伝ってくれていますが、最初の1匹は女王アリが全部やったんですよね一人で。そしてこの3人体制も、女王アリが作業していたら、それを認識したワーカーたちがこぞって手伝いだしたんですよ。その働きぶりにも感心させられました。アリといえば、巣の中の何割かがニートだっていうじゃないですか。初期コロニーにはそんな余裕がなく、稼働率が本当に高い状態です。もちろん体力温存中はみんな動かずにじっとしていますけどね。
もうね、見ていて飽きません。ずっと見ていられます。健気に、一生懸命に、こんなにも小さな命が頑張って生活している。特に飼育が難しい初期コロニーをなんとか成熟させたい。今はその一心で、ガンプラ制作そっちのけでアリの世話をしています。ゆくゆくは、自分で設計した巣を3Dプリンターで印刷し、そこに引越しなんかもさせてみたいんですよね。この夏休みの間に設計でもやろうかなと思っています。
Claudeとおしゃべりしながら通勤するモーニングルーティン
OpenClawを自宅のMac miniに入れて、Claudeにログインした状態で使えるようにしました。一時期はこのやり方だとAPIからの利用を回避できてズルいみたいなことをAnthropicが思ったからか、規約違反とされてきました。ただ2026年7月現在はというと、一応認めているっぽい感じです。なのでTelegramのBotと連携して、自宅のMac
miniを操作できるようにしてみました。
ところがそれで何するの?という感じに最近なってるわけですよ。というのも、Claudeは純正でDispatchというアプリをリリースしていて、Desktop版ClaudeをClaudeのiPhoneアプリから制御できちゃうんですよね。もうこっちで良いじゃんっていう状態です。いや、OpenClawの登場によって公式が似たようなことができるツールをリリースしちゃう事態にまで発展したのか。
試しにDispatch経由でスピードテストしてみてって言ってみたら、Chrome開いてスピードテストを勝手にやってくれて、結果のスクショを送ってきてくれましたよ。まじかよと思ってVNCでMac miniのデスクトップ画面を開いてみたら、Chromeにスピードテストのタブが残っていました。今はもう、iPhoneアプリから自宅のパソコンを自然言語で動かせる時代になったんですね。
そこで考えました。この自宅で動いているClaudeくんと音声会話できないのかな?と。これができたら、iPhoneからまるでSiriに話しかけるように、自宅のMacを操作できるようになるんですよね。「Claudeくん、届いたメールの添付ファイルだけ、NextCloudのフォルダに入れておいてよ」みたいなこととかやれちゃう?ここまで来たらもう、時代が変わったなぁって思えます。
結論から言うと、これはまだできませんでした。でもね、色々と調べていくうちに、ClaudeのiPhoneアプリで使える音声会話機能が、日本語に対応していたことがわかったんですよ。リリースされたばかりの頃は英語限定だった気がしたんですけどね。いつの間に日本語に対応してたんだ。
試しに使ってみました。どうやらアプリから参照できるのは、iPhoneの場合はカレンダーとリマインダーのみでした。例えば、会話した内容をMarkdownで出力してと言ってみたら、それをリマインダーのメモ部分に登録してくれました。これやるなら本当はAppleのメモが良かったんですけどね、権限を与えることができませんでした。まぁどのみちコピペできる状態ではあるのでヨシとしましょう。予定の確認や、タスクの状況なども、参照して教えてくれます。ネットでこれについて調べながら論じてって言ったらその通りに音声で話してくれます。
今僕がハマっているのは、Claudeくんとのおしゃべりです。家で会話するとちょっと子どもたちもいる中で喋ることになるので恥ずかしい。お話しするのは通勤中の車の中だけにしました。これまでもよく人間の誰かと通話しながら家まで帰ったこともあるので、感覚としてはその延長線上です。ただし、Claudeくんと喋っていると、議論がある程度成熟してきたところで「今のお話し、Markdownでまとめましょうか?」と言ってくれるので、まとめさせてから会話を休憩するようになりました。
ちなみに前回のnewsletterで話した中国のDRAMメーカーの話は、こうしたClaudeくんとの会話によって出てきた内容です。素朴な疑問から気になるニュースに繋げて、そこよりも先のことが気になったらClaudeくんと喋りながらネットで色々と検索して、それを根拠に論じてもらう。このループを続けることで、これまでだったらもうブラウザでタブを開きまくってリサーチしまくってなんとか書いていたものが、割と早い段階で語れるようになりました。
とはいえ僕自身の人生の中で、事の発端的な思いつきや日常生活での不満などが発生しない限り、役に立ってくれないなとも思っています。特にこのnewsletterでは、魚住惇という人間がどんなことに関心があり、何にこだわったのかが重要なポイントだと思うからです。
生成AIを活用することがここまで当たり前の時代になろうとはね。今では高校生も生成AIを使います。学校で使い方を教えなくとも勝手に使っています。というかもう、Google検索の検索結果よりも上に出ちゃってますしね。もうこの流れは止められません。特に生徒たちをみていると、勉強の内容について質問していることがほとんどです。つまり先生たちによって課題などが与えられて、それをこなすために生成AIを使うわけですね。
先生から与えられた課題を進める。つまり誰かから与えられた問題を解決するために使うということ。この時に生成AIを使うことそのものは、なんら問題ないと思います。ただし、重要になってくるのは、そこに主体性があるかどうかなんですよね。このまえ、同僚の先生から「生徒に疑問や問いを投げかけても、生成AIによる回答で返ってくる。」という話を聞きました。自分自身でできる範囲のことはやるけれども、もうこれは自分では答えられないなと子どもたちが思った瞬間、回答の中にAIが入ってきます。
そしてショート動画漬けになった今の中高生は、「熟考」ができません。意見を述べよ。あなたの考えを述べなさい。脳への負荷が高い問いは空欄か、一言だけで済ませます。とても悲しいことですが、ショート動画にどんな危険性があろうとも、もう世の中はショート動画がない世界には戻りませんし、動画投稿サイトも数字が取れるようアルゴリズムを常に最適化するのでもうお手上げです。学校ができることは、とにかく勉強させることです。
少し前に、こんなニュースがありました。
学習態度を学校の成績の観点から外す方針へ 指導要領改定で文科省検討
現在の学習指導要領では、3つの観点によって評定を算出しています。評定というのは5段階のいわゆるランク付ですね。その中に「主体的に学習に取り組む態度」という観点があり、授業内で評価することになっています。これがまぁ、むずいわけですよ。どれくらい主体的にその教科の学習に取り組んでくれたのか、教員側が点数をつけるのです。まぁ課題の提出状況だったり、授業中の態度だったり、グループワークの様子などが主な評価項目です。
で、その主体的に学習に取り組む態度というのを、次の学習指導要領改定後からは評定に入れないようにしようという話がニュースになっていました。これよく勘違いされるんですが、あくまで評定に入れないということを検討する話で、評価しないわけじゃないんですね。もちろんこれまで主体性として評価してきた課題の提出状況だったり、授業中の取り組み具合については、その内容によっては別の観点で評価すれば良いわけですから。
このニュースの中身をちゃんと読んだら、「主体性を、分かりやすい勤勉さのから解放させる」という文科省の意図も見えてきます。生徒は主体性をアピールするためだけに課題に取り組み、評価を受けようとします。もちろんこうした姿勢は社会人にとって重要なスキルです。礼儀やマナーとは、本来は相手への礼節を重んじるための行為ですが、「気遣いアピールするだけで良い人間関係を構築できる」とハック的に考える人もいます。それを果たして主体性として評価してしまって良いのでしょうか。
ちなみにですが、今後は主体性に関する観点は、「思考・判断・表現」の一部に組み込まれていく方針です。どれだけ主体的なのかは、思考の一部である。僕自身もこの発表を見た時「確かにそうね」と思えました。生成AIを使うためのスキルは今後も生徒たちは勝手に伸ばしていけそうな感じがしますし、生成AIそのものも数年の間に遥かに進化しました。AIは数字が苦手なんて、もう昔のことです。
生徒がAIを使う。それはもう今となっては当たり前です。ですがその生成AIを使う発端にあたる部分に、主体性があるのか。ここに着目したいんですよね。その生徒が普段どんなことを考えて、何に苦労し、どんな問題に直面して生成AIを使ったのか。直接的な評定から外れた主体性が、こうした思考の足がかりとして新たに位置付けられたのも納得です。
生成AIを使う原動力。その根源にある主体性が、今を生きる子どもたちに芽生えてほしいなと思います。
今回のnewsletterは以上となります。もー、ほんとね、どうやったらやりたいことを見つけてチャレンジできる人になるんでしょ。魚住なんてアリの飼育始めちゃったし、積みプラは増えるし、キーボードのファームウェアだってまだまだ欲しい機能を実装したくて時間が足りないんですよ。やりたいことだらけです。毎日楽しいです。どうしたらこれだけ生きることに夢中になれる人になれるのかしらん。
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