生きることにこだわりを。魚住惇です。
今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
生成AI×Obsidianが流行ってるっぽい
GW中のことです。僕が普段からデイリーノートの置き場所や、原稿を書き溜める場所として愛用しているObsidianとうアプリがXでトレンド入りしていました。僕自身に大した影響はなく、「お、なんかObsidianについての活用をXで書きまくったりnoteに投稿しまくっている人たちが急に出だしたな」という印象でした。
内容を要約すると、Obsidianで保存してきたMarkdownファイルを生成AIに読み込ませて、記事を書かせたりするというものでした。もう少し詳しく書くと、中にはZettelkasten(ツェッテルカステン)という情報管理システムにちなんだ活用をObsidianでしていたら、その溜め込んだ内容を基にして生成AIがあれやこれやとやってくれるというものを紹介している記事もありました。
僕はね、ただただショックを受けたんですよ。
あー、しまった。Obsidianを結局は成果物の置き場所にしかしていなかったなって。普段から情報の断片にあたるようなものをObsidianに保存しておけば、AIくんに学習させるものがあったのにな。
AIくんが書いた文章について、「それは本当に、あなたの成果物なのか?」みたいな議論もありますが、それはこの際置いておくとして。AIくんにそれをやらせないにしても、断片をデジタル化していないことがそもそも遅れているんじゃないかと思ったんですよ。
もちろん、書き溜めたものはあります。万年筆で書きなぐったような文章が大量に。でも基本僕はそれを見返そうとしません。手書きで書いたら書いただけでその場はそれで終わって、そろそろ書かないとやばいなと思ったときに、キーボードで文字をタイプしていたら、それらが再構築された内容が頭から浮かんでくるので、それをひたすら打ち込む作業をしています。
ほらほら、もうそうやって自分なりの方法が確立できているんだから、もうそれを繰り返すだけで良いじゃんかと思う人もいますよね。ただこれだと、頭から出てきてくれなかったらもう無理なんですよ。書かなくちゃいけないのに書けないという地獄の始まりです。
書くためには材料が必要で、その材料のために万年筆で書きだしているものがある。でもそれをやったところで、結局は真っ新なエディタの画面で僕自身がフリーズしてしまっている。文章が出てくるときは出てくるんですけど、工夫を凝らしたとしてもまだフリーズしてしまっている自分がいるのが、悔しくてなりません。
何か自分が止まってしまっているときは、休息が必要なのか、もしくは方法が間違っていると僕は思うので、何か他に良い方法があるはずだと思うわけです。疲れてないならね。そんなときに目に留まったのがObsidianとCursorを連携するような、生成AIにVaultを読み込ませて何かをさせるという手法でした。
どうしろってんだよ。断片なんてデジタル化してないんだよ。というのが僕の現在地です。
それでも一応は試しておかないと、これについて論じることもできません。というかObsidianはWebClipさえもまだ試していませんでした。これもきっと、WebClipしているものを読み込ませたら、なんかちょっと良い感じの文章が出来上がるのかしら。
その成果物をそのまま投稿する人も出てきているんでしょうね。僕自身は血の通った文章というのを読みたいので、あまり良い気はしませんけど。けどそれも将来的には僕が「おお、これは確かに人間様が書いた血の通った文章だ」なんて思っていた文章が実はAIくんが書いたものでしたっていうオチもありそうです。
なんかそういう時代になってしまったら、HHKBの役割だって、根本から崩れそう。業務効率化ではなく、すべてが趣味であり文化に行き付くかもしれません。ハンコのように。
僕にとっては万年筆が、自分の頭の中で思い浮かべていることを言語化することを助けてくれて、しかも書きながら考えてくれてまたそれを書きだすという無限ループを実現することがあります。ことがあるだけで、毎回できるわけではありませんが。それをやりたくてひたすら手書きで書いています。
だから自分にとって、断片の保存先は紙なんですよね。AIくんに読み込ませるには、テキストよりもちょっと負荷が高くなります。かといって毎回入力したり、写真を撮るのもねぇ。ワークフローに落とし込むのにちょっと抵抗があります。
そんな抵抗感を言語化している間にも、ObsidianとAIをうまく連携している人たちはどんどん新しいことを初めていき、それらを道具として活用していく。それを想像するだけで、なんかもう自分がかなり時代遅れな気がしてしまって、そわそわします。
今年に入ってClaudeくんの年間プランが出たので、僕は真っ先に契約しました。ただそうすると、Cursorに追加でお金を支払うといおうのも抵抗があります。Claude Desktopというアプリ版ClaudeをWindowsに入れて、ObsidianのプラグインでMCPサーバーを起動することもできるんですが、それだとCursorほどのシームレスさを体感できなさそうです。
従量課金制だと、あとからAPIの利用料としてとんでもない額を請求されそうですし、リミッターを設定してもすぐに制限に到達しそうで。我が家にとってこうした新しく登場したAIを満足いくまで使ってみるという試みは、結構難儀しています。もうこれなら、RTX3060 12GBよりも高性能なグラボを購入して、ローカルLLMの性能を上げた方が良いかもしれません。でもそっちの方が部品代がかかるしなぁ。
GW中にObsidianがXでトレンド入りしたことで、思ってもみなかった時代が来てしまったなと、危機感を持ち始めました。それとともに、その新しい時代に対応できないようなObsidianの使い方をしていた自分を、少し責めています。
もっとデイリーノートに記録を残そうと思った
もっとObsidianを使わないなとな。と思っていたある日、大塚あみさんという方がYoutubeで生成AIについて発言しているインタビューの動画を見る機会がありました。
サムネとか動画のタイトルでは、如何にChatGPTを使いこなすか、みたいな部分に焦点が当たっていますが、僕が食いついたのはそこではありません。
この方、Obsidianかどうかはさておき、デイリーノートに記録しまくる人なんですよ。動画の中盤あたりで発言されていました。僕はこの動画を作業中にBGMとして聞き流していたんですが、内容がデイリーノートのことじゃんと認識してからは作業を止めて、食い入るように最後まで見ました。
大塚あみさんはXで100日チャレンジという活動を通して、アプリやゲームを毎日作るという活動をしていたそうです。そこでChatGPTを使いこなしながら作りまくった結果、ソフトウェア工学の知識も深めたのだとか。
そりゃそうなりますよね。PythonのコードなどはAIが書いてくれますけど、それらを実行するための環境を用意するだとか、書きだしてくれた内容を理解するためには結局は勉強が必要ですから。
この動画を見てみようかなと思ったのは、動画のタイトルよりもサムネに惹かれたからです。「AIでサボったら」の部分には大いに賛成です。僕自身もサボるために努力を惜しまないタイプなので、思考回路が似ているのかなと思って動画を見ていたわけです。
そうしたら100日チャレンジのために、朝起きてその日の予定やタスクを書き出して、着手するときや終わった後にもメモを残すと発言していたんですよ。もう聞いてて「!!!」と反応しました。それデイリーノートやんって。
しかも大塚さんの場合は、生成AIにそれを読み込ませて、コーディングの足しにするんだとか。で、生成AIに自分の考え方を理解してもらうために、思考を言語化しまくっているというお話が出てきました。
生成AIが文章中に含んだ意図などを組んでくれるのかは回答次第ですが、こちらの要求を確実に組み取ってもらうためには、少なくとも文章で表現する必要があります。つまり情報量が多ければ多いほど内容が伝わり、よりこちらが望んでいる回答が得られる可能性が高くなるわけです。
大塚さんはそのためにも、日々のメモを多く残していて、それらを読み込ませていると話していました。ちなみに契約しているのはChatGPTの1か月2万円くらいするやつだそうです。こりゃもう、秘書というかエージェントですね。
Evernoteを多くの皆さんが使っていたあの頃は、知的生産界隈と言うんでしょうか。メモや記録を残すのが大好きな人たちを観測することが容易でした。それこそライフログなどを積極的に残す人たちのお話を聞く機会もありました。
今ってそういうのがあまり見えないというか、あーはいはいNotionね。AI活用前提のObsidianね。という感じで、なんかこう、純粋に記録を残すことをやっている人たちを見つけ辛くなったような気がします。こうして大塚さんみたいな人を発掘できたのも偶然です。
見つかるとうれしいものです。デイリーノートを付けている人、おるやん!とテンションが上がります。もっと気になる。何を記録しているのか。どう記録しているのか。そしてそのあとどうやって情報を整理しているのか。
ちょっと最近、NotionやDocmostでデイリーノートを作るような仕組みが、気軽に実装できたらそれでも良いんですけどね。現在で言うと、MS版NotionことMicrosoft Loopを仕事用として活用していて、プライベートというか家族会議用途でオープンソース版NotionもどきことDocmostを活用していますから。Obsidianはテキストファイル整理用と、デイリーノート用としてしか使っていません。
逆に言うと、プロジェクト管理だとかは僕自身はDocmostの方が相性が良かったんですよ。でもデイリーノートはObsidianにしかないし。カレンダービューが好きなんですよ。それがDocmostにも実装されたら良いんですけどね。
そんなこんなで、ちょっと最近、ナレッジマネジメントなどをちゃんとやりたいなと思うのでした。
今回のnewsletterは以上となります。
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