生きることにこだわりを。魚住惇です。
勤務校が7月20日に終業式を迎えます。今年は1年生の学年を担当していますが、中学生の頃にコロナ禍を迎えた子どもたちは、新しい生活様式を受け入れて生活をしています。今の3年生らは、高校に入ってから新型コロナウイルスが蔓延した時代に突入した世代なので、まだまだ不慣れなことが多い印象です。
高校は生徒と昼食も一緒に食べませんし、新型コロナウイルス感染予防対策は学校行事や部活動での対応がほとんどです。小中学校の先生方は、本当に毎日苦労されているなと思うと頭が下がります。
それでは今週もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
## 毎年出している夏休みの課題
夏休みと言えば、大量に出される宿題です。あれね、特に中学や高校で言える話ですが、各教科の先生はほとんど自分の科目のことしか考えません。夏休み40日あればできるでしょという課題を、それぞれの教科の先生が生徒に課します。他の教科でどれくらいの課題が出るのかは、一覧にしてまとめてみないと把握できないわけですが、一覧で把握できる頃にはもう生徒に課題を課しているわけです。
つまり、夏休みに生徒に課した課題の総量がどれくらいで、それだけの内容を期日までに終わらせられるかどうかという視点での議論が行われずに、これ見よがしに課題が出されるわけです。各教科から。
個人的はそれが、自分の学生時代の頃から抱いていた不満でして。「学校の先生ってみんな、自分の都合でしか宿題を出さないんだなー」と今でも思っています。
そんな僕が子どもたちに課した夏休みの課題は、「スマホ料金調査」です。毎年やってます。
「その年の7月現在の最新iPhone(今年で言うとiPhone12)を新規で購入し、キャリアと契約すると、2年間の合計でいくら支払うことになるのかを計算する」という内容です。
2種類提出することになっていて、1つが大手キャリア、もう1つが大手キャリア以外で計算したものです。
この課題を始めたのは2015年頃からですが、ここ数年は特にスマホの料金プランが複雑になってきていて、生徒たちが悪戦苦闘している様子が顕著に出ています。
特に機種の分割払いが曲者です。docomoでさえ、通話やデータ通信の契約そのものは2年間で更新するのに、分割払いは36回がデフォルトだったりします。これでは2と3の公倍数の年にならないと解約できません。
あとTwitterに少し書きましたが、この画像での料金の表示だと、1ヶ月目から12ヶ月目までの1年間の間は7315円、13ヶ月目以降は7315円とだけ読み取ってしまい、2年間で14630円しかかからないと勘違いする生徒が続出します。
今の高校生はスマホを購入するときの価格がどれくらいなのかも、4Gや5Gの電波を利用するための料金が毎月かかることも知りません。
うちの高校だけかなぁ・・・とたまに疑問に思いながら、「この月々のお支払いっていうのはね、毎月払うんだよ」や「2年というのはね、1年が12ヶ月だから、24ヶ月なんだよ」と説明しながら授業をやってます。
彼ら彼女らが卒業していつか自分でスマホを契約するときに、役立つことを願って。
## 『ICT×学級経営 GIGAスクールに対応した教室アップデート』
せっかくなのでちょっと告知を。
明治図書から出版された、『ICT×学級経営 GIGAスクールに対応した教室アップデート』という本に、合計4ページに渡って文章を書かせていただきました。
ICT×学級経営 GIGAスクールに対応した教室アップデート 小学校・中学校
編集者さんからの最初の話だと、ICTを活用したスケジュール管理について書いて欲しかったようです。ですが僕の場合、スケジュールもタスクも文章も全てNotePlan3で管理しているので、どうしてもスケジュール管理だけを切り離して語るなんてことができませんでした。
なので大まかな内容として、Markdownで毎日を記録して、知的生産を行いましょう!という流れで文章を書きました。やーこれ、書いていて他の先生にこの良さが伝わるのかなぁっていう疑問が消えないまま書きました。
これはObsidianを使っていらっしゃる方にも言えると思うんですが、Wikiリンクを使ったNote Takingの話って、まだまだ通じる人が少ないと思うんですよ。
iPadを使ったスケジュール管理について話す枠で、テキストエディタの話をしたり、WordやPagesで情報を蓄積することは良くないって書きました笑。人がアウトプットした文章というのは、それそのものが情報資産と呼べるわけで。せっかく書き出した情報なのだから、情報そのものを管理していきましょうっていうことを僕は考えます。情報を管理していくことを考えると、.docxでは管理しづらいんですよね。
この、ただ「このアプリがおすすめです」について語るのではなく、そこでアウトプットした情報を、今後どのように蓄積していくか。整理していくかっていうところまで語るのが、たまらんのですよ。
「ICT機器を使っている」という感覚ではなく、「コンピュータを使っている」という感覚になれます。あくまで感覚の話であって主観でしかないんですが、N88-BASICを触っていたり、Linuxコマンドを叩いている時のような、Markdownファイルを扱っているとそれらに近い感覚を味わっています。iPadを指で操作するのとは全く真逆の感覚です。でも僕は、iPadをコンピュータとして使いたいとずっと思っていたので、今の環境は割と理想系です。本当はVMwareとかが動いてくれると嬉しいんですけどね。
そんな僕が学校ICTを語るって、なかなか異色な感じがするなぁと思うんですが、依頼があったので書きました。
1冊税抜き1800円と高価ですし、僕自身4ページしか書いていませんが、書店に寄った際には手に取っていただけたらと思います。きっと教育書のコーナーがある大きな書店でしかお目にかかれないかもしれませんが。
見かけた際にはパラパラとページをめくっていただけたら嬉しいです。
## また本の表紙がパクられた!
これ、ニュースレターのタイトルには「また」を付けず、本文には付けたという部分。これは配慮です。
今回お見せするのは、彼どころじゃないパクリ具合です。Twitterで話題にしたいなとも考えたんですが、あまりタイムラインで広めると、その表紙をパクった本人の望んだ通りにことを運んでしまう気がしたので、newsletterには画像を載せようと考えました。
ご覧ください、こちらです。
これは流石にダメだわ笑。
僕の本と並べてみましょう。
これはもう、もろパクリだって、誰がどう見ても思うレベルです。
モザイクでもかけようものなら、印象はほぼ同じじゃないでしょうか。
この表紙の本の作者、見た感じ教員でもなさそうですし、Twitterで活動している人のようにも見えませんでした。
一応このKindle本を買って読んでみたんですが、文章はめちゃくちゃだし、iPadの表記が全て大文字のIPADになっていたり、ブログとかに書かれているような文章を部分的にコピペして集めたような文章でした。
発見してからすぐ、『教師のiPad仕事術』の編集者さんに連絡をしました。出版社としてこれは見過ごせないレベルだそうで、対応を検討してくださるそうです。
「こんなにも真似される本は初めてですよ!」と言われたの、嬉しいんだか悲しいんだか。
この本、6月13日には発売されていたそうで、今回はエゴサーチには引っかかっていなかったので発見が遅れました。このnewsletterをお読みの方で、もし僕の本に似た表紙やタイトルの本を発見した方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。
今回のnewsletterは以上となります。
「いいね」を押していただけるとうれしいです。内容に関するご意見ご感想がありましたら、「#こだわりらいふ」をつけたツイートや、Substack内のコメントまでお願いします。
夏休みの宿題が科目ごと、というのは考えたことなかったので面白かったです。
パクったほうが狭ベゼルなのもなんか悔しい気がw