我が家の光回線契約騒動
生きることにこだわりを。魚住惇です。
今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
2025年6月現在の、魚住家のネットワーク環境はこんな感じです。
YAMAHAルーターがONUの直下に控えています。録画サーバーではお名前ドットコムのDDNSアプリを常時起動して認証しているので、グローバルIPアドレスを固定せずとも常にドメインと紐づいています。以前お話した「誤家庭」という環境にいつの間にかなっているので、これを維持したいと考えています。
今は賃貸アパートで暮らしていて、最初はフレッツ光のIPv6オプションが使えるプロバイダを使っていたんですが、途中から大家さんのご厚意により地元のケーブルテレビのネット回線が無料で引いてもらったこともあって、フレッツ光を解約することになりました。
ただ、地元のケーブルテレビのインターネットは集合住宅向けの200Mbpsというプランです。18時~20時近くまでは本当に回線が貧弱で、Youtubeは常時クルクル、iPhoneのSafariがフリーズします。僕はもうこれが本当に我慢できなくて。iPhoneはWIFIを切って楽天モバイルの4Gの方が早いくらいです。ただ楽天モバイルはプラチナバンドの電波が弱いので、一度窓際に移動しないと電波をつかんでくれません。
この状況がどれだけ僕の心を蝕み、ストレス源になっているか。いくら業務用のネットワーク機器を揃えたところで、外向きの回線が貧弱ならもう、意味を問いたくなります。YAMAHAルーターが10Gに対応していないので、外向きは1Gで十分で、グローバルIPアドレスさえもらえたらそれで良いんですよ。
でもこれがまた、難しいらしいのです。インターネットを契約するとなると、所謂〇〇光みたいなサービス名を多く目にします。しかもそれらにはIP電話サービスやテレビのアンテナの代わりになるサービスも付随していて、尚且つ2年縛りを目的とした割引もセットにしているという、我々消費者にはぱっと見ただけでお得かのような売り文句を全面に押し出しています。
しかもこれが大きな数字のところだけを見たら大変お得なんでしょうけど、その条件がなんとまぁ小さい文字で書かれているわけですよ。そしてお得であるかのような数字が非常に大きく並んでいるので、1円でも家計の負担を減らしたいと考えている妻にはこれまた大変魅力的に目に焼き付くわけです。あ、はい。これは夫婦喧嘩のお話です。僕は喧嘩ではなくセミナーだと思ってるんですがね。
僕が望んでいるのはただ一つ。グローバルIPアドレス1つだけです。ここにWi-Fiルーターなんてものが付属してしまったら、RTX830が受け取るIPアドレスがプライベートIPアドレスとなり、開けたポートの意味がなくなります。いや、それどころか、今から建築が始まる家に標準でついてくるカテゴリ5eのケーブルを全部やめて7万円節約し、将来的に自分でケーブルを交換できるように配管したことだって、一切意味をなさなくなるかもしれん。
Wi-FiのAPだって、エレコムの業務用のを3つ買ってあって、そのうちの1個を試験運用中です。PoE対応のAPだったのでアライドテレシスのPoEスイッチを購入して、将来的には監視カメラもそのスイッチから電力を供給する予定でいます。
ここまで計画してきた我が家のネットワーク環境が、ただ安いから、お得だからと言われるがままに契約することになったら、一切無駄になってしまう。そう思えてならないんですよ。ただし、愛する妻をただ情弱扱いするだけでは問題の根本的な解決にはならず、育児で疲れているのを横目にセミナーを開くことすらできません。かといって僕にすべてを任せてしまったら勝手に高いプランを契約してくると思っているので、契約や交渉なども任せてもらえません。
大変な倹約家である妻からみたら、僕は我慢ができず、何をするにしてもお金がかかる浪費家です。僕から見たら必要なことであっても、妻からみたらそれは余分なことであり、別にそれが無くても困りません。例え「これはこのために必要なんだよ」という話をしたとしても、「私にはその必要性を感じない」となれば採用されません。
妻はTime is money.という考え方ではないため、例え時間がかかったとしてもお金がかからない方を選択します。僕のこだわりとは基本的に、お金をかけて能力をブーストしたり時短を図ることなので、節約するために面倒な手作業を喜んで行うタイプとは考え方が正反対というわけです。
これは平行線だ・・・。対話を進めようにも会話がかみ合わず、お互いが「どうしてわかってくれないの」状態に陥ります。業者が説明することを何一つ疑わない妻からしたら、僕は業者以下の存在です。いくらそれが営業トークだからと言っても、業者ではない僕の言葉は届かないのです。理由はお得ではないから。
Claudeくんに聞いてみた
そんなとき、救世主が現れました。生成AIのClaudeくんです。Claudeくんに業者から受け取ったチラシやパンフレットのPDFを読み込ませて、次のプロンプトでお願いしました。
コミュファ光というネット業者で、新居のネットを契約しようと思うんだ。たまたま、建築メーカーさんからの紹介だったら月額が安くなるって聞いてさ。 でもこのパンフレット、よく見ると小さい文字で細かく書かれていて、ちょっとわかりづらいんだ。あなたにもこのPDFを読み込んでもらって、これから投げかける疑問について答えて欲しい。
生成AIにとって、文字情報は文字情報であり、フォントサイズは関係なく読んでくれます。そして詳しい話やこちらが疑問に思ったことをどんどん聞いてみると、光テレビを導入すると5年契約縛りであることが判明したり、工事費が無料である条件として大見出しの価格以上に月額がかかることが分かりました。
大変喜ばしいことに、妻は生成AIの言葉は一目置いてくれているようなのです。そこで疑問に思ったこと、妻が追加で質問したいことなどを、僕がそのままプロンプトに入力し、PDFに書いてある内容を表でまとめたりしてもらいました。
画像をよくよく見てしまうとどこの光回線業者なのかわかってしまいますが、だいたいどの業者も工事費が無料となる条件を付けているようで、この業者は安心サポートPlusという月額880円のプランに加入することで工事費を0円にするというカラクリを実施していました。
安心サポートPlusというのはパソコンやタブレット端末の修理代金を3万円までを2回無償で提供してくれるようなサービスで、パソコンが弱い人向けにいろいろやりますよというもの。正直自分には必要ないものですが、きっと多くの家庭でこうしたことに困った際に、パソコンやネットに詳しい人というのが必要で、それをサービス化したんだろうなと思います。
ただこれは当然、チラシには小さい文字でしか書いてない状態で、でかでかと見出しのように印字されている安いと思わせる月額には含まれていませんでした。こういうところ、悪意のある見せ方だなとは思います。表ではお得だお得だと見せておいて、実際の請求額は違うわけです。
やっと妻が話を飲み込んでくれたので、僕としては安心しました。もうここまで来ると、自分の話を聞いてくれないというのは僕自身の日頃の行いも関係しているので、もう正直どうでも良いんです。ただそれが、正しいことへの理解を阻害するというのが悲しいというお話。「夫が正しかったのか」みたいなごんぎつね的結末は決して望んでいなくて、ただ自分自身が快適だと思えるネット環境が整えばそれで良いんです。
夫婦の形として、ちょっと疑問が残るかとは思うんですけどね。それでも良いんだ。「あなたが提案することだから、きっと普通よりもお金がかかるんでしょ」と思われることは全然大丈夫。結構な確率で事実だから。それでも、いつか、きっといつか「あのときのあの選択はこういう意味があったんだね」と気づいてくれたら、それで良いんです。
営業さんとZoom後のこと
あれから営業さんとZoomでお話しする機会があり、夫婦同席で話を聞いてみました。
結論から言うと、月額が安くなるプランで光電話も光テレビもセットになっているものがあったものの、別の形でのキャッシュバックキャンペーンに乗っかることを勧められました。用意が良いですね。
その営業さん、住宅メーカーから紹介されたお客さんを相手にすることが主な業務の方でした。なので9割以上というかほぼ全てのお客さんが、「アンテナ工事不要でテレビが見られるの!?それに光電話も!ネットも含めてお安いわ!」みたいな感じになるそうで、僕が質問した内容は全て確認後改めて回答という形になりました。
その後も話が続き、妻が思っていたように安いプランにすると縛りが厳しかったり、回線速度を上げるためにプランを途中で変更するとキャンペーンが適用されず割引がなくなってしまうことも分かってきました。
また、回線速度の話では妻が「実家では1Gで十分快適だったから大丈夫なはずだ」と発言されていましたが、営業さんは「4台くらいまでは1Gで十分ですが、それ以上の台数をつなげるとなると10Gをおすすめしております。」という話をされていました。なるほど、ざっくり言うと台数で説明した方が想像しやすいんですね。
この発言と我が家での接続台数が既に10台を超えているため、「今はYAMAHAルーターが10Gに対応していないので1Gで契約しておいて、いずれ10G対応ルーターに買い替えたら10Gにプランを変更しよう。」という当初から僕が提案していた内容で妻からOKを頂きました。
ちなみに途中でプランを変更するとなると、事務手数料で3000円ほどかかります。1Gプランと10Gプランの差額は月額770円でした。つまり、契約してから4か月以内に10G対応ルーターを買うというイベントが発生しない限り、最初は1Gプランにした方が安いという計算となるわけです。
RTX1300はまだ15万円くらいしますし、RTX830の後継機種はまだ登場していませんので、僕もこの判断が妥当だなと思いました。やった。やったぞ。
今回の件、一番の功績は生成AIくんがPDFを読み込んで、こちらの疑問などに答えてくれたことでした。スマホの契約なども似たようなことが言えると思いますが、どこか人間にとって分かりづらくして契約を誘発しているんじゃないかと思える工夫が至る所に散りばめられています。はっきり言うと罠ばかりです。
本当にその契約内容で納得できるなら無理に止めたりしませんが、個人的には本当にその契約が最良だと思ってんの?と疑問に思えてきます。
昔、某キャリアに乗り換えようと考えていたら、追加でAndroidタブレットの契約も条件だといわれたことがあるんですが、それも月額の分割料金がかかることが最終確認で分かりました。そのときは、「ちょっとまった、月額23円じゃないじゃん」とそこで契約をせずに終わりました。
当時は説明をよく聞き、細かい文字をチェックした上で判断することが求められましたが、今ではAIくんに間に入ってもらってから最終判断ができる時代になりました。しかもAIくんは、何度質問しても嫌がらずに答えてくれるので、人には聞きづらいことも気兼ねなくじゃんじゃん聞けます。マーケティング的に何を狙っているのかとかも、AIくんなりの回答が得られるわけですね。
その後で実際に営業さんから話が聞けるということが、事実上の答え合わせとなるわけです。まさに我が家の救世主です。夫婦の間にもAIくんに入ってくれて、助かりました。AIくんの登場によって第三者を手軽に挟むことができて、しかもここ最近は割と信頼できる感じがしているので実用的です。GPT3.5の頃と比べると嘘のように「ほほぉ、なるほど」と思える内容を返してくれるようになりました。
ありがとうClaudeくん。
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