ガンプラ購入列には魔物が住んでいる
生きることにこだわりを。魚住惇です。
今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
ガンプラ争奪戦の闘い
先日、ガンプラの入荷に合わせて三洋堂書店のプラモデル売り場に並んでみました。目当てはMGSDデスティニーガンダムという名前のガンプラで、定価4950円なのに配信時点でのメルカリ価格は9000前後。中古価格は12000円にもなる人気商品です。発売は2026年2月21日だったんですが、初回の在庫がもう少なくて少なくて。深夜から並ばないと買えないという状態でした。
僕はもちろん妻も子どももいるので、そんな深夜には並べません。発売日に並ぶことは諦めました。なのでこうした再販のタイミングでどうにか手に入らないかと奔走していました。Amazonなどの通販サイトはクリック戦争に負けて、各種抽選にもすべて落選。もうこれは、どこかに並ぶしかないと思ったのでした。
でね、三洋堂書店のプラモデル売り場では、最初にXで告知が行われるんですよ。今回はこれくらいの時間に販売が行われるだろうという予測のもと車で移動しました。なんとか開始10分前に到着すると、もう既に多くの人が列を作っていました。みなさん多分、告知されることをもっと早くから予測して、そこに待機していたんだと思います。でもここまできて並ばないわけにもいかないので、僕もそこに並ぶことにしました。
ここのお店の方式は、棚に入荷したガンプラを並べておき、先に並んだ人から順番に1つずつ取っていくスタイルです。ガンプラ販売でよくある光景です。棚にあるガンプラが1つ、また1つと減っていく様子を並びながら見ていて、「あのガンプラ、自分が手にする瞬間まで残っていてくれええ!」と思いながら列を進めるのです。
まだ、まだデスティニーガンダムは残っている。あともう少しだ。自分の番が回ってきた!やった!これでついに、ついに手に取ることができ
「ちょっと待って、やっぱりこれとそれ変えます。すみません。」
前の人が、先に手に取ったガンプラを、僕が取ろうとしていたガンプラと交換して去っていきました。
は?えええ?ちょっと待ってよ。まさかこんな形で、自分の目の前で買いたかったガンプラがなくなるなんて。他のガンプラには興味ないんだよ。僕だってそれが欲しかったんだよ。今日は朝からガンダムベース名古屋に並んで、でも在庫がなくて。ジョーシンに行ってもタムタムに行ってもなかったんだよ。それでここまで遥々やってきたっていうのに。もう悔しくて。39歳の男が泣きながら退店しました。
でも帰りの車の中で、そういえばと思い出したことがありました。そうそれは行きつけのプラモ屋さんで他のお客さんと話していた時のことです。
「三洋堂書店のガンプラ列には魔物がいるんだ。そいつは自分が欲しいガンプラを手に取りながら、人気のガンプラを他のガンプラの裏に隠すように置き直すんだ。よく注意しながら選ばないといけない。」
まさかあれが、そういうことだったのか。後ろに並んでいた時は棚を横から見ていたから僕はデスティニーガンダムの存在に気づいていたけど、前の人はそれに直前になって気づいたのか。魔物に騙されずに買うことに必死だったのか・・・。
そのお店で僕自身が購入できなかったのはもちろん悲しい。涙ポロポロの状態で車を運転するのも辛い。でもあそこに並んでいたのはきっと普段から入荷に合わせて列を作ってきたおそらく常連さんたち。その人たちも戦っていたのか。決して購入できなかった悔しさがなくなるわけではありませんが、過去に聞いた話とつながり、相手の事情を知ると、それだけでただ単にガンプラが買えなくて悲しいという話ではなくなりました。
また1つ、強くなれた気がしました。買う努力が求められる昨今のガンプラ界隈の構造そのものもおかしいとは思います。が、自分の心が「欲しい」と思うものには逆らえないものです。と同時に、現在でも僕は夜21時には寝て、3時には起きて、こうしてnewsletterを書いたりガンプラを作ったりしています。
顔料インクから染料インクへ
話は変わって万年筆の話題を少し書きます。
そう、ここ最近魚住は万年筆を買っておりません。むしろ手放しつつあります。その中でも残しつつ普段使いとして愛用しているのが3本です。
モンブラン マイスターシュテュック149
パイロット キャップレス
セーラー キングプロフィットST
この3本は常にカバンに入れています。ペリカンは透明軸なので、自宅から持ち出さないと決めました。以前の勤務校の3F渡り廊下で落としてしまい、キャップが割れてしまったことがあったので。もう透明軸を職場に持っていくのはやめました。
教育業界でもよく話題に上がっていた「手書きVSデジタル」みたいなのは、もう自分の中で答えが出ていて、それぞれの良さを活かすのが一番だと思っています。こうした二項対立で槍玉に上がっているのを見るのももう疲れました。大切なことは目的を見失わないことです。
僕が手書きを使うのは、手で書きながら考えたいからです。思考にブーストをかけたいから。手書きってね、思考の対象を特定の何かにロックするのにちょうど良いんですよ。人は会話や目に入ってきた情報から、何かを思い起こします。家族や職場の同僚と会話をしていて、何かを思いついたり、思い出したりするのがそれです。何気ない会話から「あっ」と何かを思いつくのは、無意識の中で何かがgenerateされているに他なりません。
では、手書きの良さとは何かというと、書くことに時間がかかり、その間にも書いている途中の内容を目で見ているので、思考の範囲が限定されるんですよ。スマホで見ているコンテンツみたいに情報量が多いものだと、色々と考える時間が与えられる間もなく流れていくので、あれやこれやと考える時間がないんですよね。それが狙いなんでしょうけど。でも少なくとも自分の場合は、ゆっくり時間をかけていることに対しては、それについての考えが頭の中から出てくるんです。この自分の特性を理解してからは、そのものについて自分の思考の方向を向けたい場合、それについて手で書いていくという行動をとるようになりました。
逆にいうとそれ以外の理由で手書きを使いたくありません。病院の問診票などで名前や住所を何度も書かされるのは本当に嫌いです。書いている間は「なんでまた名前や住所を書かなかんの。アホらし。なんのためにマイナンバーカードがあると思っとんじゃ。」という思いでいっぱいになります。
昔からある手法は、現代の感覚で言うととにかく手間がかかることばかりです。探す、運ぶ、渡す、受け取る、片付ける。これらをコンピュータに任せたら一瞬で終わります。一瞬で終わるということは、そこに思考が入る余地がなくなるということです。
Amazonなんかで本を買うと、レコメンドされる本ばかりを買うようになる。それは人間にとって退化しているのではないか。
そうじゃない。欲しい本を探しているときに余計な情報なんかいらない。今必要なのは探している本を見つけることだけ。それならば検索の方が圧倒的に速い。余分な情報は思考の邪魔になるんだ。新しい本との出会いとやらは、お目当ての本を無事手に取ってからゆっくり歩きながらやればいい。
紙の辞書の方が周辺の情報も目に入るので、検索以上に情報が手に入り
何度も同じことを言わせないで。調べたい単語があるのだからその情報を手に入れるのが先だろう。周辺の情報にまで視野を拡大するのは、目的を果たしてからだ。
一番大切なのは目的です。最終的には手段が目的であってはならないし、その目的のための手段を考えることが大事。僕は紙の手帳も使うし、iPhoneのカレンダーアプリも使います。目的が違うのでよく心配される予定のブッキングは起こり得ません。それをいつ予定するのかを考えたり、予定の細かい内容を考えるのが紙の手帳で、それを忘れないように通知させるためにアプリを使います。どっちが良いとかじゃないんです。自分にあった目的のために、最適な手段を選ぶだけです。
それで、ここ最近困っていたことがあったんですよ。特にパイロットのキャップレスという万年筆を使っていた時のことです。キャップレスって結構人気の万年筆で、なんとノック式なんです。だからボールペンのように使えて、しかも滑らかな書き味。ぱっと見だと普通のペンに見えて万年筆っぽくないのが逆の良い。
主な用途は手帳です。それまで手帳に書くときはフリクションを使っていました。でもフリクションを1年くらい使っていると、グリップのシリコンがボロボロになったり、ベトベトしてきて使えなくなっちゃうんですよね。まだインクが残っているのに勿体無い。それならと思って、思い切って手帳用にと万年筆を買いました。
でもそれだけでは理由としては薄いなと思ったので、もう1つ目的を作りました。推薦書です。学校現場では手で書く書類が山ほど残っています。その最たるものが大学に提出する推薦書だと思っています。大学によっては600文字ほど担任が内容を創作したものを手で書く必要があります。できたらこれを、楽しいものにしたかったんです。文章を考えることそのものは全く苦にならず、むしろ楽しい。それを見ながら書くという行為が、プリンターとして働かされていることを強要されているようで嫌いでした。それでも自分でやらなければならないので、なんとか楽しいことに転換したい。そう考えて導入したのがキャップレスということです。
でもね、失敗したと後になって思ったのが、購入時期です。キャップレスを買ったのが2024年の3月のことでした。3年生の担任を終えてから1年を振り返り、必要だったなぁと思って買ったんです。でも次の年は2年生の副担に入ったので、そういった進路関係の書類を何1つ書きませんでした。というか2024年はDXを再び頑張った年だったので、むしろ極める方向が逆でした。
もっと言うとね、このときのキャップレスのインクにもこだわっていて。顔料インクにしたんですよ。万年筆のインクって顔料と染料があって、多くが染料インクです。顔料インクの方が紙の表面に止まってくれてあまり中まで染み込みません。紙が濡れても染料インクよりも滲みません。この強強な感じが書類にサインしたり推薦書を手書きで書くことと相性が良いんですよ。
ただし顔料インクにも弱点があります。万年筆の構造との相性が悪くて詰まりやすいんですよ。普通の万年筆で普通に使っている分にはほとんど問題はないんですが、特にキャップレスのようなノック式万年筆との相性が最悪でした。ノック式ってキャップを閉めている状態とは違って、微妙に開いたりすることもあるので乾きやすいんですよね。染料インクなら多少のことは全然問題ないんですが、これが顔料インクだとすぐにペン先が乾いてしまい、書きたいときにインクが出てくれないというストレスフルな状態になってしまいました。
前任校で卒業生を送り出してから2年経って、今の学校ではもう主任という立場が定着しつつあります。というか今の学校じゃ担任はちょっと厳しい。となるとね、もう推薦書とか書かなくなりました。今の魚住の学校への貢献方法はそこではありません。初任でお世話になった学校や、前任校で送り出した卒業生たちが、いつの間にか教員人生の中でかけがえのない思い出になってしまうとは。
それと同時に、もう顔料インクを使う理由がなくなったなと思ったのです。というかキャップレスに使うインクじゃないなとも理解したのでした。もっと厳格に管理していれば、そんなに乾くこともなかったかもしれませんけどね。僕の環境ではちょっと相性が良くない組み合わせでした。
先週、Amazonでパイロットの染料インクを買いました。キャップレスは分解して水につけてオーバーホールみたいなことをやりました。数時間水につけて、中からドバドバ出てきた顔料インクをシンクに流して、染料インクを入れました。もうぬらぬらで、サラサラで、全くストレスない。しかもちょっと字が上手く書ける。あー、これが本来のキャップレスかぁ。当時17000円で買ったのが、今では定価3万円ですからね。あー万年筆の値上げって怖い。14万円で買ったモンブランも、今では定価20万円しますからね。欲しいものはすぐ買わないと後悔しますよ。
さて今日から新しい年度が始まります。令和8年度です。勤務校では既に新年度の職員会議が行われましたが、新しい先生は今日から参加です。昨年苦労した分というか、今年は学校で新しいことが始まりそうで、魚住は結構ワクワクしていますよ。
今回のnewsletterは以上となります。気分アゲアゲアイテムに囲まれるだけで、QOL爆上がりです。
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