生きることにこだわりを。魚住惇です。 今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
2023年度は担任をやります
これを書き始めたのは4月2日だったりしますが、配信日である4月5日は、勤務校では離任式が行われます。
教員の人事異動が、地元の新聞社、中日新聞の3月30日の朝刊にて発表されました。
他府県ではどうなのかは知りませんが、愛知県では毎年3月某日に内示が発表され、表に出るのが3月下旬です。
中日新聞社の紙面に掲載されるのは3月30日で、その前日である29日の21時より、中日新聞社が運営している「先生サーチ」というデータベースサイトでも公開されました。
名簿検索(先生サーチ・公務員サーチ):中日新聞Web ※無料で利用することができるサイトですが、利用登録が必要です。
僕は、異動ではありませんでした。今の勤務校に赴任してから5年経ちましたが、まだまだ異動対象ではないようです。
話を少し戻します。今日が離任式なんですよ。 人事異動によって勤務校を離れることになった先生方を体育館の壇上にあげて、お一人ずつお話をしてもらうという式典です。
個人的には、一年の中で結構好きな日です。そりゃ仲が良かった先生や、お世話になった先生と離れ離れになるのは悲しいことではるんですけど、そんな人たちが在校生に向かって、何かを話すんですよ。それがちょっと、楽しみだったりします。
過去には、歌を歌った人もいました。僕の教員人生の中で、3人いました。
本当だったらこうした日に歓送迎会が企画されるんですが、コロナの影響で今年度も歓送迎会が開催されませんでした。
もうちょっとだけ落ち着いたら、労う会があるといいなぁなんて思ったりもしています。
離任式=新クラス発表日
子どもたちには、異動される先生とのお別れと同時に、もう一つ大事な日でもあります。
そう、新しいクラスが発表される日でもあるんですよ。
僕が勤務してきた学校では大抵、離任式の日が4月最初の出校日になっていて、そこで新しいクラスが発表されていることになっています。今の勤務校でも同じ流れです。
学校では紙の書類がまだまだ多くて、特に個人情報系の書類が、クラスごとにファイリングされています。
これをどうするかというと、旧クラスの教室に入って番号順に座ってもらい、ファイリングされた書類を一旦全部配布します。
そして、すべての書類を配布した後に、新クラスに移動してもらうんですよ。で、書類に新しい学年のクラスや出席番号を追記させて、新しいクラスで回収するわけです。
これで紙書類の並べ替え完了です。デジタルの時代が到来したとしても、紙の書類はなくならず、並べ替えの時にはこうした人海戦術を駆使します。令和の時代の学校です。
旧クラスで集まった時にはなるべく当時の担任の先生がそのクラスに入って、新しいクラスに移動したあとから次の担任の先生にバトンタッチします。つまり、入ってきた先生が、新しい担任の先生というわけです。
他校に異動してしまう先生、つまり離任式に出席される先生はこの作業には参加できませんが、そういう場合は学年の手が空いている先生に応援に入ってもらいます。
学校によっては、この新しいクラスに変わったタイミングでも旧クラスの担任の先生が回収作業も担当して、始業式に新担任を発表するケースもあったりします。ここは学年主任の判断です。
個人的に始業式に新担任が発表されて、生徒の拍手や悲鳴が聞けるのも楽しみの一つでもありますが、場を引き締めなければならない学校では"盛り上がる場"を敢えて台無しにすることで、不必要な高揚を抑えることもよくあります。
あれは意見が分かれるところなんですよね。僕は担任発表の盛り上がりは見ていて楽しいんですけど、結局その盛り上がりの度合いが先生の人気ランキングと化してしまうからと嫌う先生もいらっしゃいます。
全ては学年主任判断です。ここについて僕が意見することはありません。
担任、やらせていただきます!
で、このnewsletterが配信されてから1時間後にはわかることなので言いますが、
魚住、担任に復帰することになりました。しかも3年生。
初任の学校から思い出すと、
1年副担
2年担任
3年担任→この後、今の勤務校に移動
2年担任
1年担任
2年副担
1年副担
2年副担
といった感じに勤務してきました。 この5年目にあたる年、今の勤務校に赴任して2年目の時に、色々やらかしました。魚住が一番暴走した年ですね。
6年目、つまり今の勤務校で3年目を迎えた時が、新型コロナウイルスの感染拡大が起こった2020年度でした。
その前の年に僕が暴走したことで、2020年度はICTの活用や新しい試みへのチャレンジが、ことごとく潰されました。
ちょっと表現が生々しくなりましたね。5月下旬に出るであろうDX本に書けることは全て書いたので、この辺りが気になる人は是非お買い求めください。
でね、3年ぶりなんですよ。僕が担任をやるのは。(これが一番言いたかったこと)
ちょっと色々あった+ICTの整備が始まったのもあって、例えば昨年度は敢えて担任を希望しませんでした。タブレット端末の整備の予定もあったので、担任と同時並行は厳しいなと思っていました。
今年度も、タブレット端末の設定が終わったからといって、暇になったというわけではありません。できれば担任からは外してもらって、ICT支援に専念させてもらえたらなと思っていました。
しかし、勤務校での人事異動の人数が多かったために、僕にも担任をやってもらわないと学校が回らないという話を聞きました。確かに今の状況を見ると、職場の環境がかなり変わったなと思います。
ですが、僕が担任をやるということ、これの意味を少し考えたんですよ。本当に人手が足りないだけなんだろうかと思いました。
この3年間、同僚の先生方から信頼を失ったことで、"魚住に担任なんてやらせん方がいいだろ"という空気感をどことなく感じていました。僕が勝手に感じてただけかもしれませんけどね。
でも、本当に人との相性というか、僕の考えを理解してくださる先生が学年主任をやられている学年に配属されたことが、ある意味人生の分岐点になりました。
人生の分岐点と言えば大袈裟な表現かもしれませんが、僕にとってはそう思えるくらいのインパクトがありました。あれだけ学校では嫌われて、ICTの活用なんてもってのほかだと罵られた後、次に配属された学年では、学年主任の先生が主導して、どんどんICTを活用する試みが始まったんですから。
それが今から2年前の話です。毎日が夢のようでした。楽しかった。僕はね、自分のことをうまく使ってくれる上司の下で働くのが好きなんですよ。今の分掌主任の先生も同じなんですけど。
今の学年で、どれだけICT否定派の先生方と闘ってきたことか。
あ、この辺りの話もここには書けません。詳しくはDX本を読んでください。全部書いたから。
その学年が、いよいよ3年生にあがります。子どもたち一人ひとりの進路が決まる大事な年です。それによってその子たちの人生がある程度決まるので、かなり神経を使います。
しかも僕は前任校が割と就職がメインの学校だったので、あまり進学指導をしたことがありません。その辺りが少し不安だったりもします。
大学の情報とか、どうやってまとめようかしら。Scrapboxを使って、同じ学年の先生方と共有したいなと考えてるところなんですよね。何を勉強したいか、どういう方向の学部に進学したいかという情報から、進学候補の大学が色々とわかってくるの、良いですよね。
そりゃベネッセも似たような資料を作ってますけど、今の勤務校の卒業生がどこに進学したかという情報も組み合わせることで、かなり進路指導に役立ちそうだと思うんですよ。
ちょっとその辺りを一度やってみたくて、うずうずしています。多分学年主任の先生も、大賛成してくださるはず。
とにかく、期待に応えたい。その一心で働きたい。いやぁ、そう思わせてくれる学年主任の先生の下で働くって、本当に楽しいですよ。
こうして文章を書いていても、「あ、学年の仕事であれをやったほうがいいかもな」って思ったことを、隣に開いてるデイリーノートにタスクとして書いたりもしています。
次男が生まれてから子育てモードだけだった自分に、3年生の担任の準備モードも近頃加わって、家で過ごしていても仕事のことを考えるようになりました。
学校の先生という仕事は、単純な労働ではないので、どうしても職場以外でも仕事に関する何かがあります。
世間には「もう定時だから」と、定時で必ず帰るという方針で働く人がいて、ここ最近の働き方改革というキーワードでその人たちの仕事術がもてはやされるのも、まぁわかります。
無駄な仕事を無駄に時間をかけてやるなんてのは、僕だって反対ですから。
でもそれが知識労働だった場合、僕はそうやって定時前と定時後で、単純に分けることもできないと思うんですよ。
例えば情報の授業を担当する僕が、Pythonの本を買って、書いてあるコードについて勉強する場合。これは仕事でしょうか。趣味でしょうか。
プログラミングの授業ではPythonを扱うので、その本を使って勉強することを"教材研究"と呼ぶことももちろんできます。でも僕にとっては趣味でもあるんですよ。
そんなことが起こり得るのが学校です。僕の感覚で言うと、必ず定時に帰って、次の出勤するまで学校のことを一切考えないという先生は、稀だと思います。みんなちょっとは次の日のことを考えたりしますよ。
でもそれは、時間外労働なんでしょうか。そう考えると、先日の裁判の件もそうですけど、項目ごとに簡単に割り切れるものでもないなと思います。
これをそもそもワーカーホリックっていう言葉で一括りにすることも、もうそんな時代じゃないなとも思うんですよね。
家にいる時まで学校のことなんて考えたくないって思っている先生も、もちろんいらっしゃると思います。リフレッシュしている時には仕事のことなんて考えたくもない。実際そういう時もあります。
でも今の僕はというと、信頼が地に堕ちた状態から、少しずつ認めてくださる先生が増えてきて、2020年度のあの頃よりも、かなり働きやすくなりました。
もう感謝しきれないほどにお世話になった先生が何人もいらっしゃいます。やっと、やっとここまで来たんだ。そんな感覚です。
そう思うとね、2023年度は、かなり楽しい年になりそうだなって今から思えるんですよ。
2023年度はこんな年になる
そうそう、よく新しい年を迎えると、抱負を述べたり、目標を立てたり、テーマを作ったりするじゃないですか。
でも学校で働いていると、そのタイミングではあまりそういうことを考えません。まだまだ年度途中だからです。
令和5年は元日から始まりますが、令和5年度は4月1日から始まります。
なので、学校の先生方がその年のテーマや抱負などを考えるのって、"今"なんですよ。
というわけで、ちょっとだけ2023年度のことを考えました。
まず、5月下旬にDX本が出るでしょ?僕と編集者さんだけで勝手に盛り上がってるだけなんですが、かなりインパクトがあるんですよ。色々とやばいんですよあの本が世に出ると。
しかもね、実はタイトルがまだ決まってないんですよ。iPad本の時にはあっという間にタイトルが決まったというのに、DX本はまだタイトル未定です。
タイトルが決まっていない理由は、DXのことだけを書いた本になってないからです。これはDXについて書いてあるんだけど、もう一つ上のレイヤーからの視点で書いてるんじゃない?ということに、この前気づいてしまいました。
それ故に、タイトルが決まってないんです。iPadの時はタイトルにそこまで迷うことなく、『教師のiPad仕事術』という名前がつけられました。
結果として、iPadに留まらない部分まで書いた本になりました。それが良かったのか悪かったのか、レビューが2つに割れました。iPadの使い方に縛られずに書きたいものを書いた結果、iPadそのものについて書いた部分がタイトルの割に少なすぎたんですよ。
それも一つの反省点です。なのでDXの本では、その反省を生かして、階層を1つ上げたいなと考えました。
書いたのはテクニックや仕事術じゃないんですよ。魚住そのものの魂がそこに宿っている。そんな本になる予定です。
ね?気になってきたでしょ?
で、それがまず5月下旬に出て、6月に入ってから徐々に広まって。それから明治図書出版の教育雑誌向けに書いた原稿が表に出るのもこの頃。さらに上昇する、何かが。
もう、そこからの予測が立てられません。あの本が世に出て、僕がどうなるのかも予測がつきません。それだけのインパクトがあるなと思っています。言葉遣いでよくない部分は全部編集者さんに直してもらっている最中です。かなり赤が入りました。
それでも、編集者さんが、編集中に泣きそうになるのを、涙をこらえて作業されてる部分もあるんですよ。一部。それが序章なんですけど。
でも、この本が世に出ることで、多くの学校のICT担当の先生が助けられるんじゃないか、その一心で今も作業しています。
それを考えるだけで、6月以降にどんなことが起こるのかが、本当に予測できません。何件か取材とかあるのかしら。
きっと、僕が生きてきた中で、一番楽しい年になるんじゃないかと思っています。
さて、ここまでが4月2日。 少し寝かせて、4日の夜に今続きを書いています。
学校を出るのが19時の生活を送っています。それでも仕事が終わりません。定時に帰るなんて、絶対に無理。正直しんどいです。
でも、どこか楽しんでいる自分がいて、この状況を受け入れています。仕事は楽しいよ。
学校の先生という職業は、常に定時で帰宅するってことは実質無理だと思います。どうしても年度末や年度始めは死ぬほど忙しくて、余裕がありません。
これがある程度過ぎれば、少し余裕が出てきて、時期さえ良ければ1時間お休みをとって帰ることもできるようになります。学校にも繁忙期というものがあるわけです。
いつまで準備しても終わらない。でも自分がその日のうちに、どこかやり切ったなと思えるまで仕事をしておきたい。どこかで区切りをつけなきゃいけないんですけど、まだ何かやり忘れた気がして、何かが足りない気がする。
本当に今年は忙しくなりそうです。でもそんな今年度にワクワクしている自分がいます。ひとまず、このnewsletterを今年度も遅れずに配信することを目指します。
今日になって、自分の担任が魚住だと知ったら、みんなどんな反応をするんだろうか。予想外だろうなぁ。そんな反応を、今から楽しみにしています。
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朝から胸熱じゃわい