もしも保護者懇談の日に、先生の子どもが熱を出したら
生きることにこだわりを。魚住惇です。 今回もちょっとしたこだわりに、お付き合いください。
もしも保護者懇談の日に、先生の子どもが熱を出したら
これを配信しているのは2023年5月3日水曜日。勤務校ではPTA総会が行われました。
担任として、PTA総会そのものには、そこまで大きな役割はありません。ただし総会の後には学年の懇談会、最後には希望をする保護者が残って担任と面談することになっていました。
担任しているクラスで面談を希望された保護者の方は5人。3年生ですから、進路の相談や、学校での様子などの情報交換など、内容は様々です。
僕ね、よく妻に「もっと考えて行動して」とか「なんでそんなに楽観的なの?普通もっと心配するものだよね?」って言われてるんですよ。
物事を選択するとき、割と心のときめきに従うタイプです。
でもそれはあくまで、自分の中である程度の予測が立てられることか、失敗しても大丈夫だと考えた時です。
僕自身が不安だと思った時は、死ぬほど準備します。当日のイメトレをやって、どんな感じにことが進むのかを想像して、その時に必要な情報を収集する。こう聞かれたらこう返す。これを言われたらこの表情で受け止める。
それから、謝る準備。それだけ準備しても、対応できないこともあります。年齢的にも、他の職業で働いていらっしゃる観点からも、保護者の方々は人生の先輩に当たります。相手の方が経験や知識が優ることなんて日常茶飯事だと思った方がいい。
例えば、生徒が希望している進路と、その保護者の職業との関連性。知ったかぶるザ・先生は、進路相談で「大丈夫なの?一人前になるなんて大変だよ?あなたにそれができるの?」なんて一丁前なことを言います。
大事なのはそれが何情報から来た言葉かです。家族親戚にその職業の人がいるなら、具体的な話ができるでしょう。よくわからないからと、もっともらしい言葉を並べてしまっては、化けの皮はすぐ剥がれます。
僕はそんな皮なんて被ってるくらいなら、目の前のその道のプロの方から、教えてもらった方が早いし合理的だと思うんです。でも、人間って、予測不可能な事態に陥った時に、自分の知識をフル回転して、なんとか繋いで、もっともらしいことを言うじゃないですか。無意識だとそれをやっちゃうんですよ。
だから、個人的にやってる対策として、無知なことに遭遇したら、知らないことを謝るっていうことを自分に言い聞かせてます。
そして、イメトレ中に「これは自分が無知な分野だから謝ることになるだろうな」と思った分野について、他の先生方のお知恵を借りまくります。こう聞かれたらこう、これも聞かれるかもしれない。そんなことを想像しながら、自分が持つべき情報と、保護者の方に伝えるべき情報を見極めます。
そんなことをしてるとね、寝つきだって悪いし、夢にも出てくるんですよ。その日のことが。この前なんて、夢の中でSTしてました。席替えしてました。目の前の子どもたちに、何かしてやれることはないか。うざいと思われながらも、なすべき事はやらなければなりません。
先日、僕のことを見極めようとしてきた生徒に、「先生はこれが仕事だから、そういうことを言ってんでしょ?」って言われました。確かにそう。僕の仕事は教師。
でも、自分の性格的に、楽しめない仕事はできない。この仕事だって、100%楽しんでいるからやってる。労働だと思ってやったことなんて一度もない。だから目の前の生徒が少しでも一緒に成長してくれたら嬉しいし、悲しいことが起こったら本気で泣けてくる。
夢にまで学校が出てくるんだから、僕はよっぽど学校が好きなんですよ。
前置きが長くなりました。そんなPTA総会の当日に、上の子が熱を出したんですよ。
朝6時に熱を計った時は38.9℃。聞くだけで「あ、これはやばいな」って思う温度です。
お義母さんは仕事のシフトが入っている日だから頼れない。妻のゆかさん1人では、生後1ヶ月の下の子を抱えながら通院に付き添うのは無理。自分が仕事を休まないと、息子の命に関わる。
自分が取るべき行動は決まっていたんですけどね、さっき書いたように、心が仕事モードになってたんですよ。
なんてタイミングなんだ。これだけ準備したのに。
そんなことを言っても、熱は下がりません。薬を処方してもらわないと。
そう葛藤していた6時半。好きなだけ葛藤してても仕事は休まないと、家庭が回らない。
そう思って、準備したのが無駄になるのが勿体無いって考えるのではなく、誰に何と連絡をすべきなのかをリストアップすることに頭を使いました。
まず、この時間でも連絡したらスマホを見てくださる学年主任の先生に、次に科主任の先生に連絡。そして皆さんが出勤された頃に、管理職の先生に連絡しました。
この順番で連絡することができれば、管理職の先生が関係各所の先生方に話をして回る頃には話が通っていて、「じゃあそれでお願いします」と言うだけの状態を作ることができます。
それでも家族のこととはいえ、職場に迷惑をかけてしまうことが、本当に気がかりで。申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
申し訳ないのは保護者に対してもです。今回のPTA総会で、担任面談だけの出席を希望された方もいらっしゃいました。僕と話をするために、わざわざ学校まで来てくださるんですよ。ビデオ会議も電話もあるこの時代に、わざわざ魚住を名指しで会いに来られる。
GWを連休にするために、職場のカレンダー的にたまたまお休みだったかもしれませんが、それでも向こうから来てくださる機会ですから、無駄にするわけにはいきません。
でも、そう思っていても、子どもが体調を崩してしまったら、1人の親として、自分の子どもを優先しなければなりません。それに生徒を早退させる時に、保護者の方に「今から迎えに来てください」って連絡するの、僕だって苦しいんです。仕事だったらどうされるんだろうとか、よく自分に置き換えて考えてます。
結局今回は、担任面談を全て、副担任の先生にお願いすることになりました。今年度の僕のクラスの副担任になってくださった先生は、僕が勤務校に赴任したときに所属した学年の学年主任だった先生です。3年ぶりに僕が担任をやるということと、子どもが小さいからという理由で、副担任として入ってもらいました。
自分の子どもを優先するために、もう存分に甘えさせてもらいました。細かい引き継ぎはGW明けにやりますが、特に連絡もなかったので、大きな出来事が起こらずに終わったんだと思います。
今年度の勤務校では、時短勤務の先生が割と少なめです。それに、何かあった時には実家を頼るような関係が構築できている先生方がほとんどです。
それと、子どもがちょうど保育園に通っている年代の先生が割と少なくて、同じ境遇の先生がそう多くありません。
割と多いのが、未就学児を育てているご家庭の先生方です。まだ子どもが歩いていない時期だったりします。
昨年から嫌と言うほど思い知ったんですが、子どもが保育園に通うようになると、頻繁に病原菌を家に連れて帰ってきます。
僕自身もここ最近ずっと、鼻水と咳に苦しんでいます。
それでも自分が所属している学年が、子育て世代の先生方が多くいらっしゃって、本当に助かりました。子どもが熱を出して、自分が出勤できなくなったとしても、なんとか他の先生方と手分けして、カバーしてくださる。
自分が休む側になった時に、有り難みを感じました。 こういうことが日常的に起こり得るから、隣近所の先生方が困っていたら、全力で助けよう。そして今回ばかりは、保護者の皆様、申し訳ないです。
昨日は改めてそう心に誓いながら、子育てに専念した1日でした。
ちなみに、今朝になって息子の体温が40℃まで上がりました。どうすっかなこれ。
Podcastを再開しました
土曜日の夜、奇跡的に子供2人が同時に寝てくれました。 上の子はお昼寝をせずに過ごしていたので、結構早めに寝てくれました。問題は下の子のほう。
授乳&おむつ替え&無限抱っこをもってしても、寝るかどうかわかりません。
それが、寝たんですよ。しかも、かなり長時間。
0歳で離乳食が始まるまでは、3時間毎に授乳があります。大抵の場合、2時間くらいするとお腹が空き始めるからか、泣きだします。
上の子の時はね、ゆかさんが「3時間ったら3時間!!」という主義で、きっちり3時間経過しないと授乳を許してくれませんでした。
もう下の子の時は、「泣いとるし、やるか」くらいの気分でいるそうです。僕としてもその方がありがたい。
お腹を空かせている子が泣き止む方法は、空腹を満たすしかありません。なので次の授乳まであと30分とかで泣かれると、30分抱っこすることが確定するわけです。
そもそもなんで3時間なんじゃ。誰が決めたのそんなの。 僕は心がもやもやしたら、そもそも何で、誰が決めたんだ?という思考がはたらいてしまうので、納得できないルールは守らない主義です。
いろんな法則性を見出せたからこそ、そのルールに落ち着いたというのも一理あると思いますけどね。例外はいくらでもあると思うんですよ。
でも下の子には3時間というルールを絶対としなくなったので、やっと変な呪縛から解放されたというか、泣いてる時の理由がはっきりわかるようになりました。
特に下の子は、おむつの中が蒸れているのを気にする性格なようで、湿気やおしっこでジメジメしていると、結構嫌がります。上の子よりも激しいくらい。
生後数ヶ月の赤ちゃんはまだ感情を表現する手立てが「泣く」しかないので、逆に考えると「泣き止んだ」というのが「喜び」だと判断できます。
ウェットティッシュでおしりを拭いて綺麗にしてやると、ピタッと泣き止んで、どことなくスッキリした表情を見せてくれます。その様子を見て、「泣→無、ということは嬉しいんだな」と思うわけです。
こういう、「物事には理由がある」の理由を発見するのが、僕の楽しみですね。
さて、話を戻します。
いつもなら何かしらの不満を泣くことで訴えてくる下の子も、土曜日の夜は何故か静かに寝てくれていました。
これはね、チャンスだと思ったんですよ。Podcastの収録の。
もう、最後に収録した時期まで忘れてしまっていました。2021年7月だと思って喋っていましたが、2022年でしたね。つまりまだブランクは1年も経ってない。
ひとまず、なんてことない内容からでもいいから録音しないとなと。そう考えながら、話せることを話した感じです。
ちなみにAnchorというメーカーの配信アプリを使っていたはずが、Spotifyのアプリに変わってました。買収されたとは聞いていましたが、まさかAnchorという名前そのものがアプリから消えているとは思わなかったですね。
そんなこんなで、少しずつ時間を見つけて、配信を試みようかなと思っています。
それと、昨年の最後の方の配信では、食洗機を買ったという話をしていました。あれから1年経ちますが、現役で大活躍してます。
ゆかさんはきっと、そのあたりのことも話したそうな感じでした。
次はいつ、寝かしつけx2が同時にできるかしら。
『逆境に負けない 学校DX物語』がAmazonと楽天に登録された
この表紙、良いでしょ。iPad本のイメージを踏襲しつつ、学校DX物語の物語の部分を巻物で表現しました。これなら誰もパクらないでしょ笑。本当は本のアイコンになる予定でしたが、僕の中で物語は巻物っていうイメージがあって、それを進言してみたら採用されちゃいました。
これを配信している今は、2回目の校正紙に先立って、同じ内容のPDFを確認しているところです。
1回目は本編だけが紙に印刷された状態でしたが、2回目は全てが印刷された状態で届きました。
ちなみに校正紙のことを、よく「ゲラ」と呼ぶらしいですね。活版印刷時代に使われていた組版をギャラリーと呼んでいたことがなまって、「ゲラ」という言葉が残ったそうです。
iPad本の頃からのお付き合いの編集者さんに「ゲラはいつ頃ですか?」と専門用語知ってます風に聞いてみたところ、
「ゲラ・・・??、あぁ、校正紙のことですね。」
って返されて、なんかちょっとだけ恥ずかしい思いをしました。人にもよると思いますが、今の時代、「ゲラ」という言葉を無理して使わなくても良いんですねきっと。
5月末には印刷が終わる日程で動いているらしいんですけど、あとがきに付け足したいなと思ったことが4月末に思いついてしまったりと、最後の最後でこれを追加!みたいなことが、結構ありました。
それもなんとか間に合って、今の自分が思ったり考えたりしていることを、ほぼ全てDX本に入れることができました。
無事に表紙も確定して、月曜日の夜には告知をツイートしたところです。
https://twitter.com/jun3010me/status/1653006524317593603
それと、現段階では出版社のサイトに紹介ページが公開されていないものの、営業部の方がAmazonには早く登録してくださっていて、表紙も無事に表示されるようになりました。
逆境に負けない 学校DX物語 | 魚住 惇 |本 | 通販 | Amazon
この、Amazonに登録された概要や目次が、これまた凄いんですよ。見る側に「え、本当にこの本、世に出るの?」と心配させるような見出しがずらりと並んでいます。
というか最初に、概要を紹介している文章。これも僕が考えたわけじゃないんですよ。
文科省がGIGAスクール構想を発表した2019年。新型コロナウイルスで休校になった2020年。全国の学校でICT導入が進む中、何も変わらない学校があった― とある県立高校で情報科教師として働く著者は、生徒のために立ち上がり、様々な手段で校内のDX化を試みるものの、これまでやってきたことを続けることが正しいとされる職場では、新しい考え方を示せば示すほど風あたりが強くなり、意見はますます通りにくくなった。 それでも、何度も立ち上がり、叩かれてもあきらめず、職場に理解者を増やし、起承転結を繰り返しながらDXを一歩ずつ進めることができた。そんな約3年間の記録をまとめた1冊。 学校のDX化を進めたい人にはもちろん、学校で新しい取り組みをしたい教師には、改革を進めるためのヒントがぎっしり詰まっている。
僕がこの文章を最初に読んだのは、Amazonの商品ページが公開されてからです。
もう、その時の心情は「あわわわわわわわわわわわわわわわ」でした。
本の内容を読みたくなる文章っていう観点から見ると、もうそりゃ早く読みたいって思える文章そのものです。
営業部が考えた文章は、素晴らしい。
でもちょっとこれは、盛りすぎでは。いや、書いている内容に嘘偽りはないんですけどね。
少しでもお客さんの目に留まって、手に取ってもらえるためには、ポチってもらうためにはここまで表現するんだなぁと、1人のブロガーとして感心してしまいました。
何度も言いますが、目次が結構凄いんですよ。この手の本は、目次に目を通したら大抵の内容は想像がつくと思います。
逆境に負けない 学校DX物語 | 魚住 惇 |本 | 通販 | Amazon
今回の本は、僕は目次をあえて作らず、書いた文章を編集者さんに読んでもらって、見出しや目次を作ってもらいました。ちょっと表現が違うなと思った部分のみ、僕から意見を言いました。
つまりあの目次は、僕の文章を読んで、意図を汲んでくれた編集者さんがつけた見出し集というわけです。
編集の段階では、もっと過激でした。そのまま世に出てしまっては、僕が学校で働きづらくなる。ここ最近やったのは、そう判断できそうな見出しの表現を、マイルドな感じに修正する作業でした。
ここまで来ると、本当にいよいよだなって思います。なんかここ最近、DX本について語ると、いよいよだなってことしか言ってませんけど笑
皆さんが手に取る瞬間を楽しみにしています。
あ、そうそう、ちなみに今回のハッシュタグは「学校DX物語」にしました。編集者さんからのハッシュタグ案は「逆境学校DX」だったんですが、言いにくいなと思って。
Kindle版は、校正が終わり次第登録作業が行われて、それが反映された後にページに反映されるそうです。それまで今しばらくお待ちください。
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